所感 from役者

所感 from上野果実

本番二日前にダウンした(仕事も早退)ときには本当にヤバイ!と思いましたが、まぁ気力があればどうにかなるもんですね。布団重ねて寝て汗かいて、前日仕込みは虚ろながらも、公演当日にはベストにもっていけました。関係者の皆様、ご心配をおかけしました☆

台本を頂いて初めて読んだ感想は「うーん…???俺できんのかな」と。台詞と台詞が繋がらない、各キャラクターがつかめない、空間が浮かばない…出演2作目にして強敵現る、みたいな。

そんな中、小野寺役就任。さてどうしたものか…と唸ったところで仕方がないので、自分勝手なイメージを膨らませて、演出に削ってもらいながらつくっていった訳ですが、今回、自分の中で、本番を迎えるまでに自分の演技がブレないようキーワードにしたのは「オアシス」。

他のキャラクターは結構シビアなかけ合いをしていたり、全体を覆う空気もなんか平たいというか、堅~い感じの話だなぁと思ったものですから、お客さんが通して観たときに、一服の清涼剤みたいに彼の居る場を感じてもらえたら良いなぁと、それを軸に取り組みました。なので表現も、基本的によく動く男にしたのと、あとは所々で客席の代弁者みたいになるように、ということを意識しました(説明っぽくなり過ぎた箇所もありますが…)。

個人的には、もう少しだけ普通の人としてつくりあげることができたのではないかなと反省。我ながら浮いてるだろうなと思った次第で。
細かいところの反省は切りがなく、また人から言われないとわからないので、まあ次の作品に向かう中でコソコソやって行ければいいなと。

…書き疲れてきてしまったので、強制終了しようと思いますが、今回も楽しく!お芝居をさせて頂きました。今後も色々な役を頂いて、表現の幅を広げていきたいと思います。役ゲバみたいな感じになってますから(笑)

所感 fromたばるとも

ご来場いただいた皆様、お手伝いしてくださった方々、本当にありがとうございました。
確か夕方ごろから雨も降っていましたよね。お足元の悪い中ご来場ありがとうございました。

■音楽について
では、まず音楽のことから。
パンフレットでも少し触れていたのですが、クラシックがメインで、あとは静かな感じの曲でとの演出の要望でしたので、普段はめったに聞かないクラシックを手当たり次第聞いてみました。クラシックって、実は多くのCMに使われてるんですね。知ってました?私は知らんかった。ほとんど聞いたことがないと思っていたのに、あの曲も、この曲も聴いたことがある!という状態でした。でもそれがかえって選べなくなる原因になったりもするのですが。

効果音探しは楽しかったです。効果音を聞くたびに一々「お~、それっぽい」とか思ったりして。ワイングラスの音だけでは物足りなく感じたので食器棚揺らして自分で録音してみたりして楽しんでました。(物足りないって……楽しむって……。この音があんな風に使われるのに…。ニヤリッ。)

まあ、音を作ってみても良かったのですが超初心者の私では時間がかかりそうなので安易な方法をとってしまいました。でも、思ったより地震ぽく聞こえてたのでよかったかなと。音楽のほうでもたくさんの方にご協力いただきました。感謝!

■「スターマン」を公演するにあたっての思い
今回の「スターマン」は前回公演の「王の剣」とは全く違うタイプのお芝居なので違うタイプのお芝居ができるという楽しみはあるものの、このタイプのお芝居、本当にやっていけるのか?という不安がありました。
でも私自身が何でもやってみたいタイプの人間なので楽しみのほうが強かったんですけどね。

■公演終了後の感想
今回の「スターマン」という脚本そのものが、日常を切り取ったもので、下手すると観ている人は「だから、何?」っていうことになると思うんです。

例えば何度も観劇している方や、演劇関係者の方々は、今回のタイプのお芝居を観たときに、「日常を巧く描けているか。」とか「感情をよく表現できているか。」とかって観たりすることもあると思うんですが、普通、お客様は、そんな分析なんかではなく「おもしろかった」とか「怖かった」とか「おもしろい話だな」とか(ちょっと例えの感想が単純だけど)そういうものをみることが多いと思うんです。実際私もそうです。

だって、観に行くんだもん。心動かされたいと思います。

その芝居芝居によって、笑ってみたかったり泣いてみたかったり、いろいろ考えてみたかったり。「スターマン」の中でお兄ちゃんが言ってましたね。
『ひとりの婆さんが針に糸通すのに一時間くらいかかったの回しっぱなしでとってそれが映画だってほざいているバカがいるって話。あの演出家だってわかってるわけだろ、そんなの映画でも何でもないってことは。』

日常を演じるだけではダメなんです。演じて、その上で、皆さんの心を動かさなくては。

さて、皆さんの心は動いたのでしょうか。多くの方に好評をいただいたようなので少しほっとしているのですが。

しかしながら、私自身は未熟者のため、まだまだです(凹)。 でもありがたいお言葉を頂いたりして救われております。ありがとうございます。

次回作に向けて、がんばっていきます。本当にありがとうございました。

所感 from中西祥子

毎度どうもです!中西です!今回も公演の感想なぞをつらつらと書いてみました。宜しくお願いします!

■公演について
前回までの反省が非常にうまい具合に活かされた公演だったなーと思います。

月に1回、スタッフとしてのミーティングというか公演運営のためのミーティングというか、とにかく団員間で話し合う時間を設けたわけです。そうすることで自分以外の担当の動きだったり不足している部分だったりが団員間で共有出来、公演日に慌てることなくスムーズに公演を打つことが出来たってわけですよ!それって当たり前じゃん、なんて思われる方も多いと思いますが、それが出来ない劇団だったんですよね・・・すみません・・・。
でも案外そういった共通理解をもつのって結構大変ですよね。難しいなって思います。ついつい人任せにしてしまうというか、担当の人が指示くれるだろうから自分は考えなくていいやみたいな。自分自身もそういう考えで芝居をしてきたから余計に強くは言えないんですが、でも今回は本当に夜遅くまで団員みんなでファミレスで話し合いをして、その努力が実った公演だったなーと思います。
うち自身、自分の担当(衣装)以外のこともそれなりに把握してましたし、苦手だった大道具や舞台セット関係も念入りに打ち合わせを重ねました!←と、ちょっと自分自身を褒めてみました(笑)

初めて舞台監督もどきみたいなポジションをやれることが出来たのも、団員みんなでたくさん話し合って、団員みんなで頑張ったからだと思います。一つの劇団として公演を打てたことに、劇団そのものの成長を感じました。

団員が軒並みに増えたのも公演がうまく運営出来た理由の一つでもありますね。今回の公演は、裏方仕事のトップには必ず団員が就いてたんで、事前の打ち合わせや練習に多くの時間を持てました。

音響・照明だけでなく、裏方小道具・受付・進行管理までもが、役者じゃない団員がそれぞれ兼任ではなく独立して就いてたんですよー!すごい!仕込みの段階でも3グループに分かれての作業だったんで、非常にスムーズに仕込みが出来まして、なんと場当たりやゲネプロをやる時間まできっちり作れました!撤収作業も多くの人が手伝ってくれまして、閉館30分前に完全撤収が出来ました。
人が多いっていいですねー。前回の公演では団員が今の半分以下だったので団員一人一人にかかる負担がとてつもなく大きかったのですが、今回は団員が増えたことにより作業も分割出来たので、それぞれが無理なく動けたんじゃないかなーと思います。勿論芝居の質は落としていないですし、作業に手を抜いたりすることはしていません。常に全力で公演に臨んでいます。誰か一人が頑張るのではなく、団員みんなが頑張る体制が劇団に根付いてきた様に思います。

『王の剣』でも思いましたが、劇団としての力が徐々についてきたなーと公演を重ねる毎に感じます。

■役・演技について
役者としてこんな振り返りをするのはものすごく悔しいのですが、今回の「矢沢駒子」という役、非常にやりにくかったです・・・

何がどうやりにくかったのかと聞かれると返答に困ってしまうのですが、演じているようないないような、自分自身でもつかみきれない感覚があるっていうか、演じていても自信を持てない表現や演技があるっていう感じだったんです。
例えば「駒子」に強い共感を持つ人間が「矢沢駒子」を演じたとしたら、すごくヒロイックで我儘な女にみえてしまうんじゃないかと思うんです。自分自身の悲しみや辛さを全面的に押し出すような・・・「私こんなに辛いのよー!可愛そうなのよー!」みたいな。でも「駒子」という人間に全く共感できず、客観的に「矢沢駒子」を演じてしまっても、中身のない単調な女になってしまうように思います。

こうやって振り返ってみると、今までの自分の演劇人生の中で、生身の人間の日常を演じる機会ってあまりなかったんですよねー。劇的な人生だったり、理想的な人間だったり・・・そういった演技に慣れてしまっていたせいか、生身の人間の脆さやあやふやさってものに、演じ手としてどう向き合ったらいいか戸惑ってしまったんです。稽古が始まってしばらくは「演じ過ぎてる」「セリフ読みに癖があり過ぎる」といわれ、もっと日常感を出すように演出から言われました。どこまでが演技でどこまでが日常か・・・もー相当悩みました(苦笑)。今でもやっぱりよく分かってないですし、自分の演技がどうだったのかも正直よく分かりません。はー辛いー。

でも今回も“ここは成長したぞ!”という点もあったりします。実は今回の芝居、一ヶ月前の通し以降大きく変更したんです。それまでは結構マジメで静かな芝居だったんですが、もう少しコミカルな要素を組み込もうってことでギャグだったりコメディ的見せ場だったりを作ったんです。もちろん作品を壊さない程度にっていう条件付で。会話がうまく合わなかったり、そこから生じる感情のズレだったりって、日常生活でよくあるじゃないですか。そういうよくある場面を笑いに変えるんです!

この稽古は楽しかったですねー。自分たちのセリフの言い方を変えるだけで、それまで殺伐とした喧嘩のシーンだったはずなのに、笑いのシーンに変わっちゃうんです。でも、自分が演じてるキャラクターの範囲を超えたセリフ読みはダメなんですよね。明らかにキャラ変わっちゃったら日常的じゃないですから。ま、そういうコメディだったらアリだと思うんですけどね。それなりに「矢沢駒子」というキャラクターが出来てからの変更だったんで、これでまた言い方を変えてキャラクターを見失ったらどうしよう!なーんて思ってたんですが、稽古してみたら案外順応している自分にビックリ!なんだ、結構やるじゃん^^ と少し自分の成長を感じることが出来ました(笑)。

色々と感慨深い今回の役でしたが、演じさせてもらえて(演じる機会を与えてもらって)本当によかったなーと思いました。すごく勉強になったし、今までにない感覚を得ることが出来たし、なにより演じていてすごく新鮮でした!まだまだひよっこでした!くそー、まだまだ努力と前進あるのみだー!!

所感 from森歩

今回は久しぶりの会話劇というか静かな演劇ということもあり、アプローチや創っていく過程で戸惑いやもどかしさみたいなものを多く感じながらの稽古でした。台詞の量も自分が今までやってきた役の中で一番多かったと思いますし、物語の中心人物を演じることもあまりなかったので公演日が近づくにつれてかなりプレッシャーを感じてました。特に「バカッ!お前は~」の長台詞。何しろまともに言えたことがない。。。憶えているはずなのにその場面の稽古になると何を言っているのかわからなくなり、何を言っていいのかわからなくなる。。うーむ。結局稽古でうまくいったことはなく、公演でもトチってしまいました。演出や共演者(特に妹役の中西さん)には迷惑をかけてしまい申し訳なかったなあと思います。

全体では今回の作品は、演出が流れというか動きをつくり、それをベースに各役者が様々なアイデアを出し、それをやってみて演出がさらに動きをつけていくというようなことが時々あり、役者同士お互い良い刺激になっていた面もあったのではないかと思っています。
自分はというと、基本的に受けの演技だと思っているので共演者に助けられた部分がたくさんありました。また派手というか大きな動きが少なく、目線や表情・間で表現しなくてはいけないこともしばしばあったり、部屋という舞台設定のため、ドアの開閉や小道具の使用等細かい部分に気を配らないといけないため、トータルに考えると難しかったのではないかと思います。

セットも公演前日の土曜日になるまで出来上がりがわからないこともあり、イメージで考えるしかなかったのですが、実際に創られたものを見た感想は「!!!」。言葉になってないですがあのセットを見て驚きを感じました。みんなが苦労して作り上げた甲斐があったと思いました。そして公演も無事に終了。大きなトラブルやケガもなくよかったと思います。

観に来ていただいた皆さん、公演に携わっていただいた皆さん、本当にありがとうございました。