『瓦礫のヤマアラシ』役者所感

【伊藤彩希】
カラクリマシーンズ第20回公演「瓦礫のヤマアラシ」にご来場いただきました皆様、お手伝い頂いた関係各位、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。そしてもう一つ、こんなありふれた言葉では気持ちを伝えきれない気がするので、せめて熱く!熱く御礼申し上げます!ありがとうございましたー!!
…いやー、伝わりませんね。気持ちというのは、文字だけでは300分の1も伝わりません。相手を目の前に言葉にしても、30分の1も伝わりません。純情な感情は空回りするので3分の1も伝わりません。って、昔シャムシェイドが言ってました。

はい、そんなこんなで伊藤です、どうも!前作の「戯ガーデン」は所感を書いていないので、1年ぶりに書いております。締め切りも絶賛ぶっちぎり中です、ごめんなさい。今回の公演はですね。…楽しかったです。はい。とても。今までのどの公演とも違う、おそらく私にとって一つの区切りとなる公演でした。「実りの多い公演となりました」と言えれば格好良いんですが、むしろ、「あれ…これ…種じゃね?」みたいなものが急激に沢山見つかったような感じです。足元にざっくばらんに大量に転がっておりました。他人の背中ばっかり見ていたから気づかなかったぜ。いっそゴミかなんかだと思っていたぜ。そういえばたまにつまづいていたぜ。
きちんと育てられるかは、これからの私次第です。小さ過ぎて見失ってしまうかもしれないし、栄養の与え方を間違えて腐らせてしまうかもしれません。でも、1度見失ったら次からそうならないように学ぶことができるし、腐ってしまっても、次の肥料にきっとなります。きっとこの先、何一つ無駄にはなりません。埋めてみたり、水をあげてみたり、置き場所を変えてみたり、ちょっと土ごと変えてみたり、数日放っておいてみたり、雑草とか取ってみたり、色々試して、失敗して、学ばなければどう育てれば良いのかすらもわかりません。見ているだけでは育たないのだと言うこと、失敗を繰り返すのは無駄ではないのだと言うこと、コツコツやってきた事だけが実になって行くのだと言うこと、そして、育て方は私が自分で選んで考えて自由に決めて良いのだと言うこと、これを心から納得することができました。私の人生において、とても大きな財産です。明日が楽しみだと思いながら眠れる日が来るとは、いやー、諦めなくて良かったなあ!!(笑)

えー、中西・たばるが出演しないということ、これは私にとって、決して小さな出来事ではありませんでした。ていうかもはや衝撃。青天の霹靂レベル。気持ちの切り替えに少し時間を要しましたが、お陰で私、人として少し成長致しました(笑)余計な事を考えずに、自分のやるべきことに集中するということ。今まで出来なかった考え方を習得することが出来ました。嬉しい。そして、今の自分の実力の程も思い知ることが出来ました。本番の結果が全ての真実。それ以上でもそれ以下でもない。稽古中や本番中、沢山のことを感じました。自分の中で確実に何かの変化が起きました。所感なのでね、きちんと内容も書きたいんですが、もう少し確かに表出させる事が出来るようになったら、改めて書かせていただきます。次回書けるといいな。そうだといいな。そう出来るようにコツコツ頑張ります。
ではでは、次回公演も皆様にお会い出来ますことを祈って。ご観劇本当に、本当にありがとうございました。

【坂本竜也】
この度は瓦礫のヤマアラシをご観劇いただきまして、ありがとうございました。ヤマアラシ君の活躍いかがだったでしょうか。本当に自分とは似ても似つかぬカッコいい役をやらせていただきましたよ。疲れた~というのが素直な本音です。舞台を一番駆け回りましたからね。
きゅんさんが時折、「私は体育で赤点をとったことがある。」なんて言っています。そりゃさすがに赤点はとったことはないですが、僕の体育の成績は2でした。学生生活終盤では吐き気を催すほど頑張って3をとりましたが。別に競うわけではないですが、カラクリ男性陣を同じ年齢にしたときに一番運動音痴なのは僕だと思います。話が逸れましたが、今回の芝居は体育1の女と体育2の男がメインで作られたというわけですね。
当然、自信を持って送り出したキャラではあるのですが、僕よりヤマアラシを上手く演じられる人はごまんといます。なんなら僕は、それを見てみたいとさえ思います。先に書いた通り、よく動くキャラですからね、バク転なんてしちゃったりして。
今回は団員募集公演です。自分も演劇やりたい!自分ならもって上手くできる!体がウズウズしてきた!なんでもいいので、誰かにそんな熱与えられていたら報われます。そして今回に限らず、この人と芝居がしたいと思ってもらえるような役者になっていけたらと思ってます。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。また会う日を楽しみにしております。

【柳川智彦】
絡繰機械’s第20回公演『瓦礫のヤマアラシ』無事全日程を終えることができました。六月とはいえ会場内は酷暑ともいえる環境。劇団員と共に汗を流しながら最後まで御観劇いただいたお客様、ご尽力を賜りました関係各位に厚く御礼申し上げます。
さて、公演パンフレット掲載の座談会『カラクリの中身』で《演出家から放し飼いにされて自由にやっている人》みたいな扱いを受けている私。いや。まあ。ほぼ事実なんですけど、実際問題として切実な課題がありまして…今回どうしても克服したかったそれは《緊張をコントロールする》でした。舞台に立つ上で初歩の初歩。なんともまあ恥ずかしいかぎりですが、前回、前々回公演では緊張に飲まれて今自分が何をしているのか見失うような状態を経験しているので早急に解決しなければならない問題でした。
結論からいうと今回はそれなりに克服できたように思います。過度の緊張に飲まれることはありませんでしたし、舞台上の自分を客観視する余裕も僅ながらありました。ブランクから来る《失敗したらどうしよう》という不安よりも、《とにかく舞台を楽しもう》というポジティブな感情に心の焦点をあてるよう努めた結果です。小心者には常に自己暗示が必要と思い知りました。
また今回、団員募集公演ということでそちらの方面の反響も気になっていましたが、既に何名かの問い合わせもいただきまして嬉しい限り。
私自身も、11月の次回公演や、劇団結成10周年を控え、ますますパワーアップしていくであろう劇団員の面々に負けないように精進したいと思います。

【河野丈志】
瓦礫のヤマアラシの公演も無事終わり、観劇くださった方、本当にありがとうございました。役者も汗だくで、お客さんもうちわがあるとはいえ、だいぶ暑かったことと思いますが、いつも以上に多くの方が観てくれたこと嬉しいです。何より一番前の桟敷の席まで埋まってお客さんが見てくれたことは緊張しつつも大きな嬉しさになりました。そして今回は新人募集公演としてのアフタートークや浜松で活躍するミュージシャンの川口直久さんの音楽ライブ・そのコラボなど企画もてんこ盛りで、楽しんでいただけたならよかったなと思います。今回もカラクリらしい熱い、役者の体も物理的に熱く動き回り、殺陣あり、身体表現あり、笑いありで演じているこちらも難しいところもありつつも楽しかったです。そしてそれを盛り上げる音楽、その切り変わり、照明、特に自分はスモークにきれいに映った光が好きですが、そういった雰囲気全体も楽しんでもらえたらすごく嬉しく思います。舞台もすでに片付け終え、いつものことながら公演のその3日間のために一ヶ月以上かけて作り上げ、そして終わればなくなっていくことに儚さを感じますが、学んだことも多く、それを発展して生かせるよう、日々の中でもどう取り込んでいこうか考えて続けていきたいと思います。最後に手伝ってくださったスタッフさん、応援してくださる方々、本当にありがとうございました。

【八重樫剛】
『瓦礫のヤマアラシ』にご来場いただいた皆様に心からお礼を申し上げます。私たちの公演を最後まで見届けていただき、誠にありがとうございます。いつもご覧いただいているお客様に加え、「今回初めて観た」という方もここ最近の公演で増えておりまして、本当にありがたいことだと感じています。ひとりでも多くの方に観ていただけることが、何よりの幸せです。本公演では予想を上回るお客様にお越しいただきました。そしてこの公演を最後までいろいろな形でご支援をいただいた多くのサポーターの皆様、公演運営に走り回ってくれたスタッフの皆さん、いつも温かく私たちを見守ってくださる会場提供の万年橋パークビルの皆様に、心から感謝いたします。
今回の公演では、個人的にそれこそ山のような課題が露わとなり、最後の最後まで苦しい戦いとなりました。改めてひとつの舞台を作り上げることの難しさを痛感しています。しかし同時に、これをクリアしてこそ皆さんに楽しんでいただける舞台ができるものと確信しています。特に今回は、演出、共演者の皆さんに時に厳しく、時に親身になって支えられて千秋楽を迎えることができました。この場をお借りしてひと言だけ、本当にありがとうございました。
カラクリの芝居の中には必死でもがく人々が数多く描かれます。自分もその登場人物に突き動かされながら日々を過ごしている部分もあります。そんな登場人物のひとりになれたのかなと振り返りつつ、改めてこれをご覧になっているすべての皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいです。ありがとうございました。