砂漠のホネ

第17回公演『砂漠のホネ』

sabaku250×249 なるほど、そいつはここに来た人が誰もが持つ疑問。そして答えるのに最も苦労する質問だ。

 昔々、とある砂漠。何十年も前に失踪したはずの少年が、突然ふらりと現れた。失踪したときと変わらぬ年頃、服装のままで。再び姿を消した少年を探し、謎を明かそうと多くの人々が街に詰めかける。その中には、時間についての研究を続ける女もいた。女の目的が明らかになるにつれ、物語は動き始める──。

はままつ演劇・人形劇フェスティバル「浜松劇突」2014参加作品
非日常的空間で物語を展開することの多い絡繰機械’sが今回お送りするのは、暑く激しいSF系失踪活劇。逃げる女に追う女、そして失踪したはずの少年。と、ちょっと特殊な砂漠を舞台に相変わらずの騒がしい展開。時空を超えて走り回るカラクリワールドをぜひご堪能ください!

■脚本・演出:唐津匠
■CAST:
ジャノメ:中西祥子
カナビシ:伊藤彩希
ベビーロック:たばるとも
若様:谷畑雅紀
隊長:太田直宏
隊員:河野丈志

■STAFF:
脚本・演出:唐津匠
舞台監督:伊藤彩希
美術:伊藤彩希
大道具:伊藤彩希/太田直宏
小道具:伊藤彩希/河野丈志
衣装:中西祥子
音楽・音響:唐津匠
照明:唐津匠
宣伝美術:唐津匠
ビデオ撮影:K&K COMPANY
web:たばるとも/唐津匠
制作協力:八重樫剛/森歩
制作・宣伝:たばるとも/絡繰機械’s

■Special Thanks(順不同・敬称略) 万年橋パークビル、黒板とキッチン、西部演劇連絡会、浜松写真連絡協議会、東三河演劇ネットワーク、株式会社ぱど、遠州こだわりネットワーク、鈴木基生、森歩、生熊正和、ほか

砂漠のホネ フォトギャラリー

34 photos.

2014年11月2日〜6月15日に浜北文化センターにて行われました絡繰機械’s第17回公演『砂漠のホネ』の公演写真をupしました。 …→ギャラリーを見る

『砂漠のホネ』役者所感

2014年11月2日に行いました公演『砂漠のホネ』の所感です。

【中西祥子】
絡繰機械’s第17回公演『砂漠のホネ』無事に終演致しました!
今回ははままつ演劇オムニバス参加作品ということで、普段より縛りが多い状態での公演となりました。イベントに『参加している側』になるのではなく『運営している側』に全劇団が立たなければならないということは、「分からない」という状況を極力少なくする努力を求められるということ。そんな状況下でも自分たちの公演を回していくのは本当に大変でした。それでもお客様の反応を見る限りでは、このイベント自体は好評だったようでホッとしています。4劇団全て観て下さったお客様も多くいたようで、私自身、初めてカラクリを観たというお客様にたくさん声をかけていただきました。カラクリのお客様の中にも全劇団の公演を観てくれた方がいらっしゃいました。浜松にある色んな劇団の特色を知ってもらえるのは本当に嬉しいことです。そして演劇を観るお客様が増えてくれたらさらに最高です。いいカタチで次に繫がっていけたらいいなぁ。正直しんどいこともありましたけど、でもだからといってこのまま終わらせてしまうのは勿体ない気がしています。うん、勿体ない。

今回は色々な事情が重なって非常に忙しい中での公演となり、結構途中で弱気発言をしてしまいました(笑)初めて自分の中の限界を感じてしまい、もうここまでかなって思った時期もありました。でも皮肉なことに、だからこそ未だかつてないほどの集中力で舞台に臨むことが出来ました。何をしていても常に舞台と繫がっているようなあの感覚。呼吸をするたびに台詞と感情が自分に同化していくあの感覚は、今までに感じたことのないものでした。頭で理解するというより、反応(反射)に近い状態だったんだと思います。怖いくらい気持ちいいけれど、一時も心が休まる暇がない過酷な日々。でもやっぱり経験は裏切らなかったんですよね。ちゃんと受け止めてくれた。いいも悪いも関係なく私にとっては舞台上が全て。勝たなきゃ意味がないんです。ここから先はさらに環境は厳しくなるかもしれないけれど、出来るだけ舞台に立ち続けていきたいと心底思いました。今まで以上の覚悟が必要になりますが、それも惜しくないほど私は舞台に立ちたいです。だったら努力あるのみ。

そしてありがたいことに、今回もたくさんのお客様が応援にかけつけてくれました。たくさんのお客様の声援と、お手伝いしていただいた皆様のおかげで無事に公演を終えることが出来ました。本当にたくさんの方々の支えがあって自分たちが成り立っているのだということを、公演を迎えるたびにひしひしと感じます。そして最後まで一緒に戦ってくれた客演のナオさん&マッキー。感謝してもし足りないほどにありがとうの気持ちでいっぱいです。2人の存在にどれだけ助けられたか分かりません。過酷な状況にも笑顔で稽古場に来てくれる2人がいたからこそ私も最後まで走ることが出来ました。本当にありがとう!

私たちは幸せな劇団です。こんなにも多くの人に支えてもらい、応援してもらい、公演を打つことが出来ているという喜び。それに応えるためにも最善を尽くす努力だけは絶対に忘れてはいけないんですよね。少なくとも私は常にその瞬間のベストを出し切ってます。出し惜しみするくらいなら辞めればいい。結果が出せないならただの言い訳でしかない。もっともっと強くありたい。全ての声援に応えられるように。
応援して下さった全ての皆様に愛と感謝をこめて。

【伊藤彩希】
どうも。皆様おはこんばんちわ。という古い挨拶でこんばんわ。伊藤です。毎回同じような挨拶になってしまいますが、 砂漠のホネにご来場頂きました皆様、誠にありがとうございました。また、一緒に走り抜けて下さった客演様方、お手伝い頂きました関係者各位、本当に、本当にありがとうございました。

公演を増すごとに、皆様への感謝の気持ちが増えていきます。 応援してもらえるってありがたいなあ、と。 なんでもできる気になるなあ、と。そんで無茶をして、ひーひー言って、でもみんなが助けてくれるからなんとかなっちゃうんです。その繰り返しで、もうすぐ芝居を始めて10年が経ちそうです。役者としてもスタッフとしても、まだまだ私には未熟さが目立ちます。 演劇人としても、人間的にも。今回はなんだかそれが顕著に現れた気がします。カラクリの中に立ったときと外に立ったときに違いが生まれているのなら、それは周りの優しさに助けられていただけで私の実力ではないのだ、と。この結果を私は真摯に受け止めて、この先の糧にして行きたいと思います。

まあ、読んでてもなんのこっちゃ分からんことを書いてるとは思いますが、要は「もっと上手くなりたいわ!!ちゃんとしたいわ!!」って書いただけです(笑)役者について、とか、美術について、とか、詳しい内容はね、今回はあえて書きません!長くなるんで!短く纏めたいんで!! ここでわざわざ「こうします!頑張ります!」と言わなくても、 舞台で結果を伝えることができるよう、私はこの先も息切れしながら走り続けて行きたいと思います。ので、是非是非次回作も皆様お楽しみに、劇場まで足をお運びください。劇団員一同、お待ちしております!!

【たばるとも】
「砂漠のホネ」ご来場いただきました皆様、お手伝いくださった皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。 4団体が入れ替わりでお芝居をするオムニバス形式での公演は、はままつ演劇・人形劇フェスティバルでは初めてのことで、運営サイドとしても普段の公演ではすることのない苦労や調整などがあったのですが、大変多くの方にご来場いただき、劇団ごとの入れ替わりも、事故も無く無事終了して、フェスティバル初の企画でしたが大成功だったと思います。

今回、4団体すべて観た方も多かったと聞いています。本当にありがとうございます。せっかくの機会なので全てとはいかなくても何本か観ていただけたら嬉しいなと思っていました。各劇団それぞれに特色がありますし、テイストも様々ですので、お芝居と言っても本当にいろんなものがあるというのを感じていただきたいなと思っていたのです。だから、複数観られた方が多かったと聞いて本当に嬉しかったです。これからもいろんなお芝居を観てみてくださいね。楽しいもの、心動かされるもの、たくさんあります。

そして、砂漠のホネ。今回はたいへん楽しい役所をさせていただきました。が、稽古中のダメ出しも多く、求められているものがなかなかわからず苦労した公演にもなりました。でもこのところ、今回のようなかき回す役所をしていなくて、もう私はさせてもらえないのかなとすら思っていたので、苦労しようがなんだろうが本当にすることができてよかったと思っています。 そしてこれは公演が終わってからはたと気づいたのですが、私は、今回の公演に限らず、一つのシチュエーションに対しての自分の行動の方向性が芝居寄りじゃなく、しかも一方向だったんだなと。もうちょっと心をシンプルにして幅広くいろんなところに気づくことができればと思っています。

今回も2人の客演さんに出演していただきました。NaOさんはもう何度も出演いただいているので、稽古などとてもハードなことはご存知なのですが、それにもかかわらず今回も参加してくださり、一生懸命熱く稽古されていました。ほんと脱帽です。ありがとうございました。まっきーは、学生さんなのに社会人劇団に飛び込んできてくれて(しかもそこそこ年齢上の人ばかり笑)、そんな中、本当に真面目に素直に一生懸命ついて来てくれました。静岡市からの参加で通うのも大変だったと思います。稽古時間あまりとれなくてごめんなさい。本当にありがとう。また一緒にお芝居しましょう。

私にとっては課題の多い砂漠のホネでしたが、この公演を通じてなのか、これまでの積み重ねなのか、遅まきながら芯というものができてきたような気がします。ずっと前を見続けることができてよかった。精神的にギリギリだったけどねー。 皆様、本当にありがとうございました。

【河野丈志】
公演を観に来てくださった方々、ありがとうございます。今回は場所が浜北文化センターということで、浜松の街中から離れた場所でしたがご足労いただき、大変うれしく思います。自分にとっても初めての場所ということで、仕込みのときから勉強になりました。照明の口の種類 (当然ですが家庭用とは全然違う) のこととか、配線方法、舞台の作り、いろいろ勉強になりました。

そんな中で一番印象に残っているのは、あの照明とスモークと音楽の中で、棒を水平にくるくる回るシーン (これじゃ分からないですね)、主人公のジャノメが時の歪みを作り出し時間の外へ行くシーン、あのシーンが好きです。くるくるゆっくり回りながら時の歪みをやっているんですが身震いしてました。外からは見れてないけどかっこよかったのではと。やっぱりあの雰囲気はカラクリの真骨頂だなぁと思います。 隊長(NaOさん:太田直宏さん)とのやりとりは楽しかった。最初のシーンもそうですが、せっかくジャノメを隊長と隊員(まっきー:谷畑雅紀さんと自分)で追い詰めたのに、狭い路地で3人が押し合って、結局ジャノメに逃げられたシーン。あの時ジャノメさん、完全にからかってましたよね。大変屈辱的でした(笑)。あのシーンは今思い出しても笑えてきます。そして思い返してみると学んだことも多く、やはり足りないところは本当にダメダメだと痛感します。

最近思うのは、自分にないものはない、ただそれは悲しむことではなく積み上げていくしかないというだけ。 だからまだまだ頑張りたいと思います。手伝ってくれた方々、劇場のスタッフさん、客演の皆さんありがとうございました。

稽古場日記 from 絡繰機械’s Diaries

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