『DUAL』HP企画第2弾!『DUAL』な座談会 スタッフVer.

今回は、普段表に出てこないスタッフ陣も役者陣と同じ議題で語ります。“同じトークテーマでも表と裏でこんなに違う!”そんな視点をお楽しみ下さい。

<今回の企画公演について>

今回はたくさんの新しいことに挑戦する、“企画公演”ですが、今までと違うことをするということで楽しみなことはありますか?

「率直に言うと不安…(笑)。今まで、ハナタレからお手伝いしてて、一本の芝居だけでも自分の中でアップアップしてたのにまったくテイストの違う二本って…面白そうだなって思う反面難しいだろうなって。今回僕初めて音響のオペレーションやるんで、それもあいまって正直“不安”です。」
司会 「“楽しみ”とかは?」
「“楽しみ”で言ったら、初めてのことに挑戦するのは楽しみでもありますね。今までは照明やってて、稽古を見たりその中でタイミングとったりはしてても、実際機材動かしたり出来るのってゲネとか当日で。音響は稽古中に練習出来るから、今までよりは“一緒に作り上げてる”感は強くなるのかなって気はしてます。」
唐津 「照明はどうしてもぶっつけ本番になるもんな~。」
「それが面白いっちゃ面白いんですけど…。まぁ音響も、その時の役者に合わせなきゃいけないっていう面ではぶっつけ本番になるとは思うんですけどね」
唐津 「音響のぶっつけ本番感って、会場の再生システムで流すっていうのは稽古場では出来ないから、役者のセリフとのバランスのとり方なんだよね。照明はフェーダーとかで覚えておけるけど、音響は役者の声量の変化もあるし、耳で記憶しておくしかないから。最初はそんなとこまで気を使えないかもしれないけどね(笑)」
「いやでも……頑張ります。」
まちこ 「私は初めて今回“広報”っていうのを担当して、DUALっていう公演はソフトなものとハードなものをいっぺんにやる、っていう風に売り方がハッキリしてるからやりやすいだろうなって思ってたんですけど、フライヤーをデザインしていく中で、お芝居の内容をイメージ化していくんじゃなくて、企画公演としての“DUAL”っていうフワフワしたものをイメージ化しなきゃいけなくて、それが意外と難しかったです。」
唐津 「そういえば、フライヤーとか、僕以外の人が広報としてプランニングするっていうの初めてだったんだけど…楽だったね。(笑)」
一同 「(笑)」
唐津 「今まではさ、コピー1本書くにしても、一人で書いてるとすごいうさんくさく感じたり、デザインにしても、ゼロから毎回一人で考えて作って…っていうのってなかなかプレッシャーだったからさ。それがなくなるっていうのが気が楽だった。」
まちこ 「コピー考えたりするときとかって、客観的な意見が欲しくなりますよね。」
唐津 「うんうん。そもそも、僕コピー考えるのって苦手なんだよね。“僕たちこんなに素晴らしいですよ!”みたいなの、こっぱずかしいし、そうでもないの分かってるし…」
まちこ 「唐津さんずっとそう言うんですけど、コピーってそういうもんじゃないですか~」
唐津 「そういう割りきり方が僕には出来ない!(笑)」
まちこ 「なんていうか、“かっこつける”みたいなの嫌いですもんね」
唐津 「そう。常に、かっこつけてる自分を指差して笑ってる自分がいる。」

<客演について>

今回の芝居って客演が多いけど、雰囲気に変化とかありますか?

「早めに稽古場に着いた時、客演さん率が高いと“おっ…”てなります(笑)。“カラクリじゃない…!”みたいな。僕の中で、昔からいる主要メンバーがいる空間こそがカラクリってなってるみたいで。そういう意味で変化は感じてて、それが最近は楽しいです。女性ばっかりっていう僕的に気まずい状況も、客演さんが男性ばかりなので緩和されるし!」
司会 「そういう状況になると、関くん逃げるもんな(笑)」

まちこ 「私全然稽古来れてないのに発言しちゃいますけど(笑)、カラクリって、演技っぽい演技をしたがらないなっていう印象があるんですね。逆に演技っぽい演技を追求してる劇団っていうのもいっぱいあって、多分そっちの方が浜松ではマジョリティな気がしてて。これってどっちがいいとかじゃなくカテゴリーの違いだと思うんですけど、その違いはすごく感じます。」
唐津 「あーそれはあるねー。カラクリのことを知らない人を稽古場に連れてきて、2つに分けて下さいって言ったら割と正解する気がする。」

<新人について>

新人さんを迎えて、カラクリに変化はありましたか?

唐津 「まぁ単純に若くなったなっていうのは感じますよね。特にスタッフチームってほぼ若いメンバーで構成されてるから、打ち合わせとか、こうやって集まったりとかすると若いなーって思うよ(笑)」
高岸 「入った側からすると、外から見てたのと実際入ってからでは印象変わりましたね。大道具とかでもこんなに手のこんだことするんだって驚いたし…」
唐津 「(つぶやくように)金がないからね…(笑)」
高岸 「こんなところまで手作りなんだってびっくりすることも多いけど、その大変さがまた面白いのかなって」
司会 「あー。辛い分、ね…(しみじみ)」
「誰も“辛い”とは言ってないですよ!(笑)」
一同 「(笑)」
まちこ 「外から見てた印象ってどんな感じだったんですか?」
高岸 「いや、実は一瞬見てすぐ中に入っちゃったんで、外から見てた期間って殆どないんですけど…(笑)」
唐津 「実はそういう人多いんだよね、うち。まちこちゃんもそうでしょ?」
まちこ 「そうですね。」
唐津 「実際の人柄とか見てから公演見ると、アマチュアにしては頑張ってるなって思うけど、公演みてから人柄見ると、ショボく見えるみたいなことなのかな。こんな大変なのかよとか、こんな手作りなのかよとか(笑)。実際、公演見て入ってきてくれた子もいたはいたんだよね。でも残ってないんだよ(笑)」
一同 「(苦笑)」
唐津 「うちって、何かのノウハウがあるとか、何かが優れてるとかじゃなくて、ただ単に膨大な物量をこなすとか、必死になって稽古するとかで色んなことに対処してきたからさ。他と違ってイイと思ってくれたとしても、そのために相当頑張らなきゃいけないから、そのギャップだよね。」
「うちの解決方法は基本“頑張る”ですからね~」
唐津 「そうそう(笑)」
司会 「みさとちゃんは、前大学で何かやってたんだよね?」
加藤 「短大で、表現活動みたいなくくりのことを…」
司会 「そのとき役者みたいなことはやらなかったの?」
加藤 「やらなかったですね。その時も照明でした。カラクリに入って当初は、何をやりたいとかあったわけじゃなかったから、わけもわからず役者チームに混ざってストレッチとかやって(笑)。でもまぁ稽古にきてるうちに“照明なんかどうですか”って話になって…私あのブース好きなんで、照明に決めて、今に至ります。」
唐津 「ブース好きっていう人多いよね。あの薄暗い空間。」
加藤 「あの狭さが落ち着く(笑)」
「ブースって特等席感がありますよね、お客さんの反応と演技を同時に見れるし。まぁ実際はそんなの見てる余裕ないことが多いですけど(笑)」
高岸 「でも僕、他劇団のお手伝いに行った時ブースから見てて、“劇”を見てるというよりは“劇を見てる人を見てる”って感覚になっちゃって、純粋に楽しめなかったです。」
唐津 「確かに、裏方を知っちゃうと、何見に行ったときも作品じゃないとこが気になっちゃったりとかする、照明見ちゃったりとか(笑)。俺、好きなアーティストのライブ行ったとき、冒頭の明かりで噴き出しちゃったことがあって。その時“もう俺ダメだ”って思ったよね(笑)。ライブでも楽しめないんだ、って。」
まちこ 「私、お芝居がしたいな、舞台に立ちたいなって思いを持つっていうのは割と自然な感情の流れとして受け止められるんですけど、照明がしたいな、制作になりたいなっていうような思いって、普通に生活してて生まれるものじゃない気がするんですよね。」
唐津 「自分がそうなのに?(笑)」
まちこ 「私は、急激に演劇にハマって、全然知らない世界だからちょっとのぞいてみたくなったっていうのがスタッフになろうと思ったきっかけなんですよね。そういう何かしらのきっかけがあって初めてスタッフになろうってなると思うんですけど、皆さんもそういうのありました?」
高岸 「僕は…社会人になって、職場と家の往復だけっていうのが嫌だなって思ったのがきっかけですかね。その時丁度関から声がかかって、参加してみて。…僕“常に眠そうな目をしてる”みたいなことよく言われるんですけど、storiesの時、多分一年間で一番目開いてた気がする。」
一同 「(笑)」
高岸 「一番頭使ったし、一番起きてたんですよね。照明の緊張感が心地よかったし、それでかな。」
唐津 「創作活動っていう捉え方をすると、うちってスタッフ込で作品を創り上げてる感じじゃない?役者をサポートするって立場じゃなくて、スタッフも一要素っていうか。だから、スタッフも役者と同じように積極的に作品作りに携わってるって感じがするんだと思う。“手伝ってる”んじゃなくて“一緒に作ってる”っていう。」

 

<原案について>

読んでみて、まだ台本としてあがってない段階で楽しみなことは?

まちこ 「私、“原作”モノの映画とかよく見るんですけど、なんかチープに感じちゃうことが多いんですね。」
「それはあるね。」
まちこ 「だから、“原案”っていうやり方はうまいなって思いましたね(笑)。原作モノって、小説にしろ漫画にしろ、各人で思い描いてる世界があるから、それってものすごいハードルじゃないですか、知ってる物語をたどるわけだし…。」
高岸 「軽く見えるよね。」
まちこ 「そうそう。だから、原案っていう形で雰囲気を残しましたって言われると、原作ファンの人も割と納得しやすいだろうなって思いました。」
唐津 「僕も原作モノを見て、まちこちゃんが言ってるようながっかり感を受けることって多々あって。人それぞれ違う思い入れのある部分っていうのがあって、作り手の強調したい部分とそれが一致してない限りダメなんだろうね。今回は“原案”だし、“掛け合わせ”だし、変わることが前提にあるから、言い訳はしやすいよね(笑)」
「いい意味で!ですよね(笑)」
唐津 「そもそもさ、今回は原案をこういう形で明かしてるけど、今までの作品だって何かしらからインスピレーションは受けてるわけだから、書く側の作業としてはあんまり変わらない気がして、ます。まだ分からないけど(笑)」

<独自のルール>

 

唐津 「公演前にうなぎを食べる!」
「昔、対向車で黄色い車が走ったときにピースを3回したら、その日いいことがあるっていうのをやってましたね。」
一同 「なにそれ(笑)」
「そして白い車が3台連続で走っているのを見ると悪いことがある。」
加藤 「白い車3台連続ってよくありそう(笑)」
高岸 「良い事・悪い事で言うと、よく占いで良い事だけは信じるっていう人多いじゃないですか?でも僕は悪い事があったときにそれを意識して用心して過ごします。」
唐津 「前向きなんだか、後ろ向きなんだか(笑)」
まちこ 「星座占いで12位は悪い運勢の解消方法とかラッキーアイテムを教えてくれるじゃないですか。それなんとなく実行しちゃいますよね。」
「11位が困るよね。助けてくれない(笑)」
唐津 「僕は神社のおみくじで、すごいいいのが出たときだけ信じたいなと思うくらい。基本信じないね。そういや、神が出てくる脚本ばっかり書いてるのに全然信じてないな。」
一同 「(笑)」
高岸 「だから書けるんじゃないですか?」
唐津 「そうだね、信じてたら畏れ多くて書けないかもね。」
まちこ 「私はどれだけ疲れて帰ってきても、絶対に荷ほどきだけはします。」
加藤 「荷ほどき?」
まちこ 「例えば実家に長期滞在してこっちに帰ってきたときって、荷物パンパンになってるじゃないですか?行きはあんなに空だったのに(笑)。そういうの全部あるべき場所に戻さないと寝れないんです。」
唐津 「すごいね。」
まちこ 「小さいかばんでも同じで、例えばイヤホンも元の場所に戻さないと寝れない。」
加藤 「うわー、えらい。」
唐津 「枕の位置ってルール化しない?」
まちこ 「ん?首と枕の位置関係みたいな?」
加藤 「私、枕使ってないんです。枕はあるんですけど基本的にうつ伏せで寝るのでズボッって頭の上にあげてます。」
まちこ 「あ、わかる!枕なんで置いてるんだろうって思うときがある(笑)。朝起きたら絶対ベッドと窓の間に落ちてる。」
一同 「(笑)」
「今のだと、単に寝像悪い子になってるよ。」
唐津 「枕しなきゃいいじゃん(笑)本当かどうかは知らないんだけど、たまに硬い床で寝ると体にいいらしいのね。で、僕たまに床で寝る。」
一同 「(笑)」
高岸 「痛くないですか?」
唐津 「枕さえすれば大丈夫かな。」
高岸 「まあ、下駄履いてたら偏平足治るって言いますしね。」
唐津 「そうなんだ。」
高岸 「矯正されるのかもしれないですね。」
唐津 「あと、前にやってた仕事で出張が多かったんだけど、一回も行ったことのないところで夜時間があったら絶対に一人で飲みに行くっていうのはあったな。」
司会 「なんでですか?」
唐津 「飲み屋って結構その地域のカラーが出てると思うんだよね。で、尚且つ集団で行くと集団の中だけでワーって盛り上がっちゃってよくわかんないから、一人で行って、飲んだりお店の人としゃべって地元の話を聴いたりするっていうのをしてたね。」
まちこ 「なるほどー。」
高岸 「あと僕、頭を洗ってから30分は絶対に横にならない。」
一同 「えー!」
司会 「髪の毛は洗った後濡れたままで?」
高岸 「いや、ドライヤーで乾かすんですけど、なんか湿ってるじゃないですか。そのまま寝るとひどいんですよね。」
唐津 「ちゃんと乾かせばいいじゃん!(笑)」
高岸 「いや、やってるんですよ。でもなんかもう、逆立ってるんですよ。なのでドライヤー乾燥プラス自然乾燥です。」
唐津 「これさ、あまりにもつまらな過ぎるかもしれないんだけど、トイレでトイレットペーパーをどれぐらい引っ張り出すかって固定化してない?どれくらいの長さ使ってどう折るかとか。たまに違うかもしれないけど「基本俺はこれだ!」みたいな。どう?(まちこに振る。)」
まちこ 「えー!!私ですか。えー……言いたくない…(笑)でもルールってそういう見えないところに多いんでしょうね。」
唐津 「そう、ほんとに一人のときだけのことに多い気がする。シャワー浴びるときの順番で頭洗うのが先か、体洗うのが先かみたいな。」
司会 「ルールというか習慣だったりしますね。」

 

<やってしまったこと>

司会 「では、『私はやってしまったんでしょうか?』というキャッチフレーズにかけまして、『今だから言えるやってしまったこと』ありますか?」
唐津 「うわー、今でも言えないことばっかりだな(笑)」
加藤 「職場の保育園で子供の名前を呼んだら違う子だったとか。あと、ピンスポ(照明)当てたら上野さんがいなかったとか。」
一同 (笑)
加藤 「いるハズ!と思ったんですけどねー。」
高岸 「昔、鬼ごっこしてて、鬼の手が自分にかすったかな?と思ったけど無視してしまったこととかありますね。」
唐津 「あー、そういう瞬間のことって覚えてたりするんだよね。そのとき見ていた風景とか。」

<判断のつかない出来事>

司会 「では同じく『私はやってしまったんでしょうか?』にかけまして、未だに判断がつかない出来事ってありますか?」
まちこ 「小学2年生のときのクリスマスに、もうその頃はサンタクロースなんて信じてなかったんですけど、お兄ちゃんと「起きていよう」って言ってたんだけど、結局寝ちゃって。で、朝起きたら2段ベッドの下で寝ていたお兄ちゃんが「プレゼント見つけた!」って騒いでて、その騒ぎ声を聞いた隣の部屋にいるお母さんが「まちこも捜してみなさい」って言うんで探してたんですけど、ないんですよ。」
加藤 「流れ的にあるはずですよね。」
まちこ 「そう。でもなくて、ふとんを2段ベッドの上から床に落としたりする位の勢いで捜しても見つからないから、もうぐったりして拗ねてたんですよ。でも隣の部屋からお母さんに「絶対にあるから捜してみなさい」って言われて。そしたらその瞬間に、ほんとに絶対にさっきまでなかったのに目の前にあったんですよ。」
一同 「(笑)」
まちこ 「判断がつかないことというか、実際どうだったんだろうみたいな話なんですけど…いやでも、本当に絶対なかったんですよ。で、そのときに“サンタクロースって煙なんだ。”って思いました。」
一同 「(笑)」
まちこ 「サンタがいないって言い張ってた当時の理論として、“家に入って来れるはずがない”って思ってたのもあったから、“あ、煙か!だったら納得!!”みたいな(笑)。」
唐津 「あー、なるほどね。」
まちこ 「で、それ以来、サンタじゃないんですけど酔っ払うとちっちゃなおじさんが見えるんです。」
一同 「(笑)」
唐津 「何それ。」
まちこ 「だって絶対捜しまくってなかったのに、あるはずのないところにリモコンがあったりしません?だからそういうのも、ちっちゃいおじさんが運んできてるんだなって思うんです。それに私、酔っ払うと、薬包紙に砂糖をこんもり載せたおじさんたちが私のビールに一生懸命砂糖を入れてるのが見えるんです。」
司会 「それは総勢何名なの?」
まちこ 「いつも4人です。」
一同 「(爆笑)」
まちこ 「お菓子作りで膨らませるタイプのものも、私が作るとおせんべいみたいになるし、それも絶対ちっちゃいおじさんが何か混ぜてるはず。判断がつかない出来事っていうか…これ、勝手に私が判断してますね(笑)」
高岸 「僕、以前入院していて、夜眠っているときに看護師さんに、やたら「大丈夫ですか、高岸さん!」ってめちゃくちゃ声かけられていた記憶があったんですね。だけど、朝、目が覚めたらナースコール握ってた。」
一同 「(笑)」
高岸 「あれ?押した?みたいな。」
唐津 「でも、押してたのかどうかはわからず?」
高岸 「うん、夢であってほしいなと(笑)」
加藤 「判断がつかないっていうと、職場の保育園に双子がいるんですけど判断がつかなくて。もう名前聞くしかないですもんねー。全く同じ顔で同じ服着て。」
唐津 「同じ服着るのやめてほしいよね。お前らも素直に着るなよと(笑)。」
加藤 「あと、中学のとき部活がソフトボール部だったんですけど、ある時、セカンド守ってたらすごいきれいな真っ白い服を着た髪の長い人が歩いてたんですね。で、こっちにボールが飛んできたんですけど、ボールとって投げた後、その方向を見たら、もう女の人がいなかった。あれはなんだったんだろうって。」
司会 「ホラー系は判断つかないこと多いですよね。」
まちこ 「私の中学のときの先輩のお兄ちゃんが…ってこの次点で遠すぎてちょっと信憑性薄いですけど(苦笑)、廃病院に肝試しに行って、そのときは何にも起こらなかったらしいんですけど、カルテっぽいものを記念に持ち帰ったんらしいんですね。そしたら、次の日電話がかかってきて「すいません、○○病院なんですけどカルテ返してください」って。」
一同 「うわ~。」
まちこ 「もしかしたら友達のいたずらかもしれないですけどね。でも、実際に電話がかかってくるっていう物理的なところが怖くないですか?」
司会 「たしかに。」
唐津 「これ、僕が照明の仕事をしてた頃の話なんだけど、長崎にある劇場で、そこのシーリング(※1)には『出る』っていう噂があったのね。で、そこにはツアーでまわっている照明の人以外に現地の照明屋さんもいるんだけど、午前中に普通に現地の人たちと仕事をして、午後からシーリングに上がって作業をするときに、「あれ?午前中にこの人いたっけ?」ってなったのね。その人、女の人だったんだけど、「あー、そういやここ出るって言ってたな。」って。」
一同 「あー。」
唐津 「でも仕事してるからいいやって(笑)。手伝ってくれてるし。」
まちこ 「それ、全然見えてるんですよね。」
唐津 「そう、全然見えてて色入れてる。」
一同 (爆笑)
唐津 「それ実際は、現地の照明屋さんの一人が途中で予定があるかなんかで午後から入れ替わってきた人だったんだよね。そう聞いてたんだけど、上にあがって「えっ!?」てなったときはちょっとおもしろかった。「すげぇ、この幽霊仕事してる。」って。」
一同 (笑)
「昔、コンビニでバイトしていたとき、トイレを貸してくださいって言って、その後普通に買い物をしてレジの前に来るお客さんの中に、たまにチャックが開いてる人がいるんですよね。で、それを教えてあげたときに、人によってはものすごい「あっ!!」っていう顔をする人がいるんですけど、それを見ると「今言ってあげてよかったのかな?」とその後も結構考えたりしてしまいますね。」
まちこ 「男でも女でも教えてあげる?」
「女性はさすがにね…言えない。でも一緒に働いてる人が女性だったら、その人から言ってもらったりした。」
高岸 「判断がつかないっていうか、判断つけれなくてわからなくなるっていうのないですか?いつもやってることなのに、初めてやってる…みたいな。」
一同 「…?」
「例えあげてくれないと。」
司会 「やんわりし過ぎです(笑)」
高岸 「デジャヴみたいな。いつもやってることなのに、その瞬間やり方忘れて空回りしてたり、またその逆で、初めてやることのはずなのに、過去にやったことのあるような気がしたり。」
「え?後に言った方がデジャヴだよ。初めてやることのはずなのに、やったことのある気がする。」
高岸 「え?……あれまあ。」
一同 (笑)
まちこ 「やり方を忘れる、っていうのはあります。」
唐津 「え?!どういうこと?箸の持ち方忘れるとか(笑)」
まちこ 「いや、なんで食べるのかがわからなくなるんです。どうやって飲み込むんだっけ、みたいな。でもおなかはいつも通り空くし、もう誰か点滴かなんかで入れてくれーって。」
唐津 「あー、おなかが減るということと食べるということが直接つながらなくなるってことか。」
まちこ 「それがけっこう定期的にきますね。一週間くらい食べなくても平気だったり、その後はまた食べる期間が続くんですけど、ある日ふと食べれるようになったりする。」
一同 「(皆、なぜか司会者に注目)」
司会 「あぁ、私にはわからないことです…」
「いつも何か食べてますもんね(笑)」
司会 「うん、たぶん一生わからない(笑)」
加藤 「私の場合は保育園の給食が11時半なんですけど、体内時計が働いて、その時間になるとおなかが減るんです。」
まちこ 「えー、すごいね。私はそういうへんな周期の時の給食なんて地獄ですよ。」
「僕はそういう時、ちょっとぽっちゃりした子に給食あげてたな。」
司会 「やたらとおかわりをする子、クラスに1人はいましたね(笑)」
「小学校の5年生のときの担任の先生が、すごいバナナが嫌いだったんですよ。でも、生徒に残さず食べなさいと言っている手前、どうしても食べなきゃならない。で、その先生はなぜか箸でバナナを切って食べてたんですけど、ある日いつも通り箸でバナナを切ろうとしたら箸のほうが折れて。で、「えっ?バナナが勝つ?」ってそのまま見ていたら、次は普通に切れたんですよ。一瞬だけバナナ堅かったの?みたいな。」
一同 「(笑)」
まちこ 「箸使うなんてよっぽどバナナ嫌いだったんですね。触れたくもないっていう(笑)」
唐津 「『料理が冷たくならないようにする』っていうのは僕の中でルールになってるかもしれない。照明の仕事でツアーでまわってるとお弁当がよく出るんだけど、電子レンジがあるわけでもなく、ただ楽屋に用意してあるお弁当を食べるしかないのね。だから基本的に冷えてることが多くて、それがすごく嫌だったのね。ツアーだからそれがずっと続くし。」
司会 「続くと余計につらいですね。」
唐津 「それがもう嫌で嫌で。煮しめなんかの、作り置きで冷たくてもおいしいっていうのはいいんだけど、一般的にはあったかい状態で食べるものが冷たいっていうのは許せなくてね。だから作ったら冷める前に喰う!」
高岸 「わかりますね。冷めてるのはちょっと。でもお弁当は冷めててもおいしいっていうのが前提だったりしません?」
唐津 「うーん、でも嫌(笑)。なんかくつろげないんだよね。仕事してる感っていうのかな、冷たいと「これ食べて……冷たいしさっさと食べて仕事に戻ろう」みたいな感じがあって。」
まちこ 「くつろげないっていうと、私どんなに寒くても、家では半袖でショートパンツで過ごします。」
唐津 「風邪引くよ(笑)」
まちこ 「締め付けられるの嫌なんですよね。」
唐津 「僕は逆に家でもちゃんとしてたいというか、きちっとしてるほうがよくて。それに、一回だらっとした方向に行くとなかなか帰ってこれない(笑)。近所のコンビに行くのにジャージで外に出るっていうのも嫌いというかできないんだよね。他の人がやってるのは平気なんだけど。」
「僕もたとえ近所でも絶対着替えますね。」
高岸 「えー!僕、全然平気ですよ。学生の時なんか、朝起きて、寝巻きがスウェットなんですけど、そのスウェットにパーカー羽織って雪の中ごみ捨て行って、そのままコンビニ行って「さみ~な。」とか言いながらアイス買って帰ったりしてました。」
司会 「私は外から帰ってきたら即パジャマなんですけど、部屋着への憧れはあります(笑)」
まちこ 「分かるー!でも結局脱いじゃうんですよね。(笑)」
司会 「そう。ちゃんと部屋着買ってたりするんですけどね、着ない。(笑)」
唐津 「へえ、僕は逆にパジャマがないときがあった。ジーンズで寝てたり。」
司会 「それはただ横着なだけですよね(笑)」
唐津 「ある意味そうだね(笑)」
まちこ 「私は外から帰ってきた服で布団の上に上がりたくないんですよね。汚い気がして。」
唐津 「だから、外から帰ってきて、別の部屋用のジーンズになるわけよ。」
まちこ 「意味がわからないです(笑)」
唐津 「あと、これたぶん僕の中でルールなんだけど、パーマをかけたりしたくないのね。」
司会 「なんでですか?」
唐津 「僕にとっては整形と同じ感覚なんだよね。不自然な改造をする感じ?人がやってるのは全然かまわないんだけど。」
司会 「今までパーマかけたことないんですか?」
唐津 「うん、一度もないね。」
まちこ 「それじゃもう、女性のメイクなんて全然ダメじゃないですか。」
唐津 「でもメイクは自然な範疇だと思うんだよね。身だしなみの範疇。例えば男のヒゲって身だしなみの範疇だったりするでしょ?それに似てる。」
まちこ 「つけまつげとかどうですか?」
唐津 「あーそれちょっとやりすぎ。あと、女性のメイクはいいんだけど男で眉毛とか書いてると、お前それどうなの?って思う。整えてる程度で身だしなみの範疇ならいいんだけどね…ってこれ完全に自分基準だね(笑)」
司会 「自分独自のルールだから大丈夫ですよ(笑)」

 

<脱線した話題>

唐津 「最近の劇団の変化として、僕主導として動くというところから制作や企画主導で公演の内容を決めたりしていくっていうのが非常に大きい変化だね。」
司会 「いい変化というところですかね。」
唐津 「そうだね。公演ってさ、どこの劇団もある意味演出家がワンマンで公演やったり芝居やったりしてると思うんだ。そして、評価されてる演出家というのは、作品作りに対してワンマンだったりする。でも作品作りがそうだからといって、劇団運営に関してワンマンである必要はない。そうなっちゃうと僕のやりたいことに無理矢理みんなを付き合わせてることになってしまうしね。でも今の体制になって、みんな自主的に打合せしたりしてすごくいい変化が出てきてると思うよ。」
まちこ 「カラクリってやる気さえあればやりたいことをやらせてもらえて、そういう柔軟性もありつつ、言ったからには絶対やれよっていう厳しさが入ってくる。そういうところも今回の『DUAL』のソフトとハードに通じるかなって(笑)」

※1シーリング  客席上部の天井裏に仕込まれている照明(シーリングライトの略)、またはそれが仕込まれている場所。