2012年11月4日に行いました公演『エディパの靴』の所感です。
【中西祥子】
絡繰機械’s第13回公演『エディパの靴』無事公演終了しました。 今回も多くのお客様に足を運んでいただいたことをとても嬉しく思っています。そして公演を手伝って下さったスタッフの皆様、またご協力いただいた関係者の皆様には深く御礼申し上げます。至らない点も多々あったと思いますが、次回以降の公演に活かしていけれるように劇団員一同努力していきますので、今後とも絡繰機械’sを宜しくお願いします。
「エディパの靴」という作品、そしてそこで演じた「ミランダ」という役は、私にとって一つの大きな挑戦でした。 まず「ミランダ」への挑戦についてちょっと考察。かなり散文です。
非常に主観的かつ個人的な挑戦だったので、私以外の方にうまく説明することが出来ないのですが、なんていうか・・・・・持てるギミックを全て使わなければ表現しきれない役に巡り合ったというかんじです。ものすごく曖昧でごめんなさい。 「ミランダ」は普通の女性です。理知的でウィットにとんでいて探究心が強く、自分というものをしっかり持っている、普通の女性です。私にとっての挑戦は、まずこの普通の女性をリアルな人間として表現することへの課題から始まりました。 普通っていうのが演じる上で一番難しいんですよね。そもそも普通とは一体何ぞや?みたいな哲学的な考えすら湧いてきてしまう、この普通という枠組みなんですが、「そんな人間、どこにもいないよ」ってお客さんに思われてしまった時点で、多分失敗なんです。人間ていうのは多面的な存在ですから、理知的な人でも感情に流されるときはあるし、自分を強く持っていても迷うときがある。その多面性をきちんと表現することが普通の人間を演じる上で最も難しいと私は思っています。もちろんどのキャラクターを演じるときも当然多面性は必要ですし、そこをうまく演じることが出来ればリアルな存在として舞台に立つことが出来るんですが、普通の役を演じるときは、そのふり幅が非常にデリケートなんです。やりすぎてはいけないけれど、お客さんに伝わらないほど細かすぎてもいけない。普通の人間っていうのは決して無個性な人間というわけではなくて、「ミランダ」という個性はお客さんに伝えつつ、かつ印象は普通の女性でありたいというのが私の挑戦だったんです。そして、その普通の女性が、少しずつ崩れていく様をリアルに表現することが私にとっての第二の課題でした。 崩れるというのは、人格が崩壊して別の人格になってしまう、ということではありません。崩れ方というのは人それぞれで、ここでも、あくまで「ミランダ」という人間が崩れたらという範疇を超えることは絶対にあり得ません。今回の「ミランダ」に関していえば、何か大きなきっかけがあって一気に日常が崩れたというわけではなく、少しずつ色んな要因が積み重なって少しずつ日常が崩れていくというのが大筋になっています。なので、崩れていくかもしれない自分を恐れたり、崩れまいと必死に自分を奮起させる「ミランダ」を、緻密に表現していきたいと考えていました。ここで重要になるのは、第一の課題であった「ミランダ」のキャラクターをどこまで私がリアルに表現出来ていたかという点です。人間が徐々に崩れていく様を表現したいのではなく、「ミランダ」が徐々に崩れていく様をリアルに描きたいのであれば、崩れる前の「ミランダ」がよりリアルでなければなりません。非常に主観的な話でいえば、「ミランダならここでどうする?」「ミランダならここからどうなる?」っていうことですね(笑)。一気に崩れるわけではないので、そういった心の変容を一つ一つ丁寧にお客さんに伝えつつ、最後まで「ミランダ」として見えるようにすることが二つ目の挑戦でした。 さてこの「ミランダ」への挑戦が結果としてどうだったのかというと、正直、自分的にはその結果に十分満足しています。かなりギリギリまで不安が先行していたのですが、ゲネプロをやり終えたとき、自分の中でこの挑戦は満足のいくかたちで幕を下ろすことが出来ました。今の自分はここまで出来るんだっていう明確な線引きが出来たおかげで、役者として、次に目指すべき方向を捉えることが出来たんです。まだまだ自分は伸びていけるという自信、こんなに嬉しいことはありません!
次に「エディパの靴」への挑戦について考察。これまたさらに散文です(笑)
脚本・演出の唐津さんが、自分の好きな世界を全面的に表現したという「エディパの靴」。その唐津ワールドをいかに正確に創り出すことが出来るかということが、今回の私の挑戦でした。 私は唐津さんの創る世界がとても好きです。観客として初めて唐津さんの舞台を観たときから、この人の表現する世界をもっとより正確に創り出す手助けをしたいと思ってきました。そういう意味では、普段の芝居創りのときと気持ちの入れ方に変わりはないわけですが、この「エディパの靴」は、今までのカラクリの芝居のテイストとはちょっと違う作品に仕上がっていました。なんていうか・・・・唐津さんの世界と、唐津さんが敬愛する小説家トマス・ピンチョンとの世界が融合された舞台ってかんじ・・・って、曖昧な説明で本当にごめんなさい。でもとにかく、よりコアな唐津ワールドが炸裂した作品だった「エディパの靴」を、どう体現させるかということが私の挑戦だったわけです。 役者として衣装として舞台監督として、そして劇団員として、頭も身体もフル回転で制作に臨みましたが如何せん製作期間が短かったのが非常に悔しい結果となってしまいました。「時間があればもっといい作品が出来たのに」的な言い訳はすごく嫌いなんですが、見方を変えれば、「今の私には「エディパの靴」を作り上げるだけの能力が足りないから時間をかけて補うしかなかった」っていう反省点につながるわけです。つまり、製作期間の短さよりも、自分の今現在の能力がまだまだ唐津ワールドに追いついていないことが今後の私の課題ということです。役者としての身体能力をもっと鍛えること、舞台全体を構築していくためのマネージメント能力をあげること、この2点はまず必須ですね。少なくとも。
と、なんだか好き勝手に色々と書き連ねてしまいました。 いいところも悪いところも含めて、自分の現状が把握出来た今回の公演。一つの区切りをつけることが出来たのは大きな収穫だったと思います。 ありがとうございました!!
【伊藤彩希】
絡繰機械‘s第13回公演、「エディパの靴」にご来場いただいた皆様、お手伝いいただいた関係者様方、 そして一緒にお芝居を作った劇団員・客演様一同、本当にありがとうございました。 皆様のおかげで、どうにかこうにか今回も、無事幕を下ろすことが出来ました。 この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
はい、どうも。伊藤です。 幕が下りてから2カ月ほど経過しておりますので、思い出しながらの所感になりますが、 最後までダラダラとお付き合いいただければ幸いでございます。
役者について
私の今の目標は、「人物としての厚みを表現できるようになること」です。 どうしても特徴一辺倒なキャラクターというか、「元気な人」ならただただ元気に、「クールな人」ならただただクールに。人としての感情の振り幅が非常に狭いところで演技をしてしまう傾向があるので、それを改善していきたいと。そんな中今回は元々「線が細い人」に挑戦する予定でした。まー、これがね、線が細いってのがね、全くできないわけです私。骨太だから。 毎日牛乳飲んでるから(全く関係ない)。 わたしは今回「ジーナ」と言う弁護士をやらせてもらいましたが、何を隠そうこの役名、最初は「ヘレナ」と言いました。線が細そうな名前ですね。繊細そうなお名前ですよね。それがある稽古日、「線、細くなくて良いや」とのお言葉と共に、その日新しく貰った台本内で、名前が「ジーナ」に変更されておりました。…線、細くなさそうですね! 濁点が何かこう……強そうな感じですよね。ええ。分かります。ええ。えぇ。ぇぇ。(だんだん下がって行く)
いやー、やっぱり悔しいものです。せめてちゃんと「線が細い人」を表現出来た上で、「やっぱりシーンのイメージがちょっと違うからキャラクター性変えようか」と言ってもらえるような判断材料をお見せすることもできず、今回も演出・劇団員に迷惑を掛けたおしました。ごめんなさい。すみません。そんな自分の力不足をくやみつつも、 私、「ジーナ」という今回の役が結構好きでした。というかそもそもこの「エディパの靴」という作品が今までで一・二を争うくらい好きです。楽しかったです。とても。恐ろしいまでに時間のない中での公演でしたが、そんなことは観に来て下さるお客様には関係ありません。 時間があっても無くても全力で良いものを作る。それを大前提として、ストイックに邁進していきたいと思います。
美術について
今回は布でした。ただただ布でした。演出からのオーダーは、
・実像と虚像を舞台上に映し出したい
・人数が少ないと思わせない
あと幾つかありましたがもう2カ月も経ってるので覚えておりません(最低か) 。
オーダーを受けた時点で、「例えば布を使って影を映し出すとか」とのアドバイスをいただいておりまして、まー、今回もおんぶにだっこ状態でした。頭が上がりません。「例えばこんな感じ」という例を一個いただいて、それを元にしたり、違う方向から攻めてみたり、こねくり回したりした結果、 結局一番最初の例に戻ってきた感じです。予算があればもうちょっと良い布を静音カーテンレールで稼働させた上、後ろのスロープはリアルにレンガを組みたいところでした。おかねが欲しいです。
さて、3部作以降シンプルな舞台が続いておりますが、如何でしょうか? 元々私は観る・使うならシンプル派、作るときには装飾派なので、個人的には良い勉強になっておりますが、「今までの中ではこれが好きだったー」みたいなものがあればぜひぜひ伺いたいので、BBS等に書きこんでいただいたり、客だしの際にこっそり教えていただけたら非常に嬉しいです。
そういえば最近、「ものを作ることへの恐怖心」というものが薄らいできました。美術を考えながら、「いやでもここはこれがだめで…」「これだとここがちょっと…」等と なかなか先へ進めない事が多かったのですが、昨年大きな親指を発泡スチロールから削りだして以来、「これと決めれば皆がちゃんと作ってくれる」的な安心感というか、信頼が生まれてきまして、 さらに言えば、「作り上げさえすれば照明さんがなんとかしてくれる」というポジティブな責任転嫁能力が発達したようです。やっぱりおんぶにだっこです。頭があがりません。
さて。劇団としての目下の目標は、スケジュール管理です。 時間が無いことで成長するところと、あることで成長できるところは恐らく全く違うと思うのです。 全力を出し切れるからこそ、芝居は楽しいのだと思います。 今年の個人的な劇団に対する目標は「目指せ!10周年!!」です。 途中で力尽きてしまわぬように、誰かに何かあったとしても破綻しないように。 劇団員を増やして、しっかり育てて、お客様を大事にして、頑張って増やして。厳しい環境は個人を育ててくれますが、集団を育てるのは豊かな環境だと思います。私は絡繰機械‘sが好きです。長く続けていきたいです。せめて、せめてあともう一人いれば………!!ということで、劇団員、大募集中です。
【たばるとも】
「エディパの靴」にご来場・ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
毎回、もう少し時間をかけて創りたいと思うのですが、今回もなかなかそれが思うようにいかず 時間との勝負でした。
今回に関しては、自分の演技そのものが演出のプランによるものになりました。自分が稽古場で表現していたもの、いや、逆か、表現しきれなかった原因というのが 演出の演技プランをしてすぐに気づいたのですが、それが1日で固定されてしまったため そこから外れることができなかったのが残念です。時間のなさと自分の至らなさですね。至らなかった原因は明確なのですが、うーん、それも踏まえて自分の至らなさなのだろうなと思います。
役者としての課題というのがあったとします。その課題をクリアするための方法というのは、人それぞれなんだと思います。その人にはこの方法がうまくいくだとか、この人はこうしたらクリアできるようになったとか。私はなんとなく、「私は当てはまらないな」と思うようになりました。何に当てはまらないのかは秘密です。たぶん違ってたんです。やり方とか、ものの見方が。いや、ものの見方がそもそも違うんだから、やり方を合わせたところでそれはチグハグになるんだなーって。だから私は違う方法でするべきなんだと。そういうのを実感するようになりました。方法と言っても、具体的な方法だけではなく精神的な部分での方法も含まれているんですけど。
それとは少し別の部分で。
最初は違う風にしていました。最初というのは劇団に入って初期の段階から。その「違う風」というのが私の目指していたものだったことと、そこの部分を評価してくださっていた方もいたので、わりとその方向でこれまでやってきました。 でもそれに対し「いやいや、こっちのほうがいいでしょ。」という言葉があってから (というのがこの1年なのですが)私の中で大きく崩れていきました。 自分の目指すものや、全体を見て良かれと思ってやっていたことが。
この1年は模索して終わりました。
たぶんこの大きな言葉があってから模索していくうちに「私は当てはまらない」と実感したのだと思います。その後は、さきほど書いた通り。
違う形が主流となっていそうなカラクリの中で、そう心がけるのは精神的にちょっとシンドイ。何かしらの方法論が演劇上確立していたり、何かが主流になっていたとしても、舞台に立つのは私。求められる結果を出すための方法は人それぞれ。だからそんな中で、これは私のやり方だからと私自身を確立させることが自分には必要なのだと思うようになりました。
私には今、目標があります。計りにくいけど絶対に達成します。
公演そのものは空間の雰囲気も含め自分の好きな作品となりました。だからこそもっと時間をかけたかった。
今回の公演から「制作」をするようになりました。制作ってほんとに幅の広い仕事です。対外的な調整、資料作成、内部的なマネジメントなども多くあり大変なお仕事です。これまで私はweb企画、音楽を担当していて、それだけでも相当大変だったのですが、その上今回から制作も増え、その上役者! まるでスタッフの仕事してる合間に役者してるようです。いかん! しかも公演以外でもホームページの充実を目指し公演とは関係のないweb企画なども担当しているため正直パンパンです。公演があろうとなかろうとずーっとずーっと何かしてます。あ!あと会計だ! 抱え過ぎなので、もうちょっとみんなに指示出しして動力部分をお願いし、劇団の動きがスムーズになるようにして、もうちょっと私を楽させたいと思います(笑) 劇団員が増えたら動力どころかそのまま渡しちゃうんですけどねー。
今はただ、劇団として、どんな状況を抱えていたとしても『舞台』をしっかりしていきたい。現状を見極め、きちんと積み上げていかなくてはと切実に思っています。
【座間優貴】
公演、無事終了致しました。ほんとに最後の最後まで、不安でいっぱいだったこの舞台。製作期間約1カ月…1カ月て!劇団員の中で、いろんな意味で最もキビシイ作品なのではないかと囁かれていたことは伊達じゃないですね(笑)それでも、限られた時間の中で役者同士が一丸となって作品を作り上げていく高揚感は、他に代え難いものでありました。
(小道具・大道具として)
前途したように、本当に時間の無い舞台だったので、スタッフとしての仕事はそれぞれ役者同士で助け合いながら行いました。衣装を個人持ちで揃えたり、大量の靴を集めてきたり…。小道具としての仕事の仕方を少しずつ理解してきていたので、自分の仕事もまあまあ順調にこなせたのかなと思いますが、あるシーンで必要な小道具を見落としたり、公演直前になって増えた小道具に関しては唐津さんの厚意に甘えてしまったところに爪の甘さがありました。仕事の流れは理解したので、次回はそれをより正確に抜かりなくこなしていきたいと思います。大道具としては、人の下に立ち指示をこなすことに関しては成長が見られるかなーと思いますが、少ない劇団員とお手伝いさんで仕事を回すには、ベテラン・新人関係なく、団員が人を動かしていけるようにならなければなりません。自分で考え、行動する力、人を回す能力を身につけることが今後の大きな課題になりそうです。こちらはとにかく場数を踏むことが何よりの近道なので、他劇団さんのバラシを手伝いに行って経験値を得たいと思います!仕込み・バラシが必要な劇団さんは座間までご連絡くださいませ(笑)
(役者として)
今回の公演は、役者としての自分に大きな変化がありました。それは今までずっと気づけなかった“演技”の在り方の初歩の初歩が、理解出来たことです。これがわかってからの稽古は、世界が変わって見えました。もらったセリフを読みながら、自然に行動は生まれてくるし、言葉も飛び出てくるからです(もちろん100%ではありません。自分に遠い役柄や、理解出来ない会話があると、それが出来なくなってしまいます。)。役者としての一歩がようやく踏み出せたように思います。でも踏み出したからこそ、立ちはだかる大きな壁を見上げることにもなったのです。はじめて、セリフ量の多い役柄を頂きました。さらには数役のキャラクターも任せられました。こうして初めて先輩の役者さんがいつも抱えている辛さを、身を持って知ることになまりました。限られた時間の中で、私がやっとの思いでこなしたことは、「セリフを覚えること」、「きっかけや動きを忘れないこと」。結局これさえ完璧にこなすことが出来ませんでしたし、セリフを忘れてはいけない、間違えてはいけないという不安に押しつぶされて、早口になって、演技どころではありませんでした。それだけ与えられたモノに対して私の技量が至らなかったのです。初めて先輩達の土俵に入って、自分がいかにちっぽけか知りました。そしてそれを当り前のようにこなす先輩が、とても大きく見えました。まるで海を漂う小舟が大波に飲まれるような気分です。 結果だけを言えば、満足の行く仕事が出来たとはとうてい思えません。公演は終了してすぐの内は、もやもやした悔しさをずっと抱えていました。しかし、色々なことを考え噛み締めていくうち、こんな風に考えるようになりました。これが自分のベストだったということ、その過程でいくつもの発見や成長があったこと。この公演で自分の中の演劇に対する取り組み方、ものの考え方、今後の展望まで変わったこと。次に繋げることのできる大きな一歩をここで踏み出すことができたということ。
今後について、ゆっくりやっていけばいいとはあまり言いたくないですが、『演技』は成長するのに時間のかかることであることは確かです。なので、次回の公演までにぐーんと上達していますなんてことは言いません。私が次の目標にしたいのは『身体表現』の向上です!こちらに関しては、努力すればするほど身になっていきますし、他のベテラン役者方がそれぞれに持つ、自分の“売り”を、私も持ち、追求していきたいと思ったからです。どう行動に移そうか、ただ今企み中です。次回の公演を楽しみにしていてくださいませ。へへ!
最後になりましたが、貴重な時間を割いてスタッフの仕事を全うしてくださったスタッフの方々、会場まで足を運んで下さったお客様、すべての皆様に心からの感謝の気持ちを込めて。
ゆきんこ
【河野丈志】
観に来てくださった方、ありがとうございました。そして手伝ってくれた方、応援してくれた方、本当にありがとうございます。入団して一年が経ちまだまだ足りないことを実感していますが、いろんな方に観ていただけた事 本当にうれしいです。
今回の舞台はタイトルにも靴が含まれているように靴がキーワードでした。なので劇団員みんなで靴を実家から持ち寄りました。家族にも感謝しています。そしてそのたくさんの靴が整然と並べられた舞台は聞いていたけど、おぉっとなるくらい圧巻でした。こういう空間に立つことは普段の生活の中ではないので、やっぱり演劇ならでは楽しみだなと感じます。それと今回の舞台は布を使い、どんどん舞台を変えていくのが今回のもう一つ楽しいところです。ただ、この布の動きを覚えるのが大変でした。次の場面の布の位置をちゃんと把握し、タイミング、移動距離を覚えるのは、たくさんのシーンがあるため、絵を描きながら何度もやっての繰り返しで覚えていきました。やはり演劇は面白いなと思います。
【太田直宏】
エディパの靴に御来場頂きましてはありがとうございました。
役者として。
今回の公演は、これまでに参加したどの公演よりも、タイトなスケジュールでした。それは、自分自身のスケジュールと、絡繰さんのスケジュールの両方がお互いに詰まっていたためですが、それを理由にお客様に不出来なものを披露するわけにはいきません。短い稽古期間で、考えられる事を出来る限り考え、行動する。今にして思えば、焦りばかりで、一つの方向にしか考えが行かずに行き詰まり焦るの繰り返しだったようにも思えます。そんな中、常に出来る限り自分をニュートラルな状態にいられるようにしたいという目標が生まれました。新たな境地を開拓できた等の収穫もありましたので、次に繋げたいと考えています。
スタッフとして。
今回は、大道具としては、時間があまり取れず、出来上がってきた図面に従って作業する位の事しかできませんでした。毎回のことですが、舞台装置が予想を超えて動くので、スムーズに安全に動かせるかが仕込んでみるまで不安でしたが、今回も、仕込んでみたら、カーテンが、予想以上に動きが良くなく、今後は、もっと精度を上げる事ができるようにしたいと考えています。