親指アンダーワールド所感 from 役者

2011年12月11日に行いました公演『親指アンダーワールド』の所感です。

※到着順で掲載

from たばるとも

「親指アンダーワールド」をご覧いただきました皆様、お手伝いしてくださった皆様、誠にありがとうございました。
前回の公演「即決ロックンロール」の公演日が、すでに今回の公演の3ヶ月前ということで、当然タイトなスケジュールであるとわかっていたのですが、想像を絶する厳しさでした(笑)。本当に幕が開くのかギリギリまでわからないような状態でしたが、無事幕は開け、そしていい公演になったと思います。
ただ、個人的に危惧しているのは、毎回毎回「ギリギリだったけど、いい公演だった」ってのは相当甘いよなと。
自分はカラクリの中にいる人間なんで、当たり前ですが外からカラクリを見ることはできない。劇団内での全員の努力だとかを見ているから、公演が終わったら、少なくとも「いい公演だった」とやはり思ってしまう。頑張って公演が打てた満足感だとか達成感だとか、そういういろんなものがプラスされて「よかったよかった」って言ってしまう。いや、ウソではないんですけどね。ほんとに毎回、いい公演だったなあと思うんです。まじで。でも、もっと時間があって(ありすぎるのはまたダメなんだけど)、もっと努力すればもっともっと完成度が増すのではないかと。
わたしは外から見れないけれど、やはりどうしても粗いところが出てきてるんじゃないかと思うんですよね。そういう悪い粗さを取り除いていくには時間も必要だと思うんです。悪い粗さを取り除いて、でも、ただ丸こいだけじゃない、いい粗さがちょいちょいって入ってゴリゴリした感じのカラクリとかどうよって思うんです。
とかなんとか言いながらも、次の公演は来年2月と6月の予定なんですけどね(笑)。早いなあ。サイクル短いですが頑張りますよ~。
にしても、お客様にも楽しんでいただいて初めて「いい公演!」になるわけで、どうだったのかなあといつもドキドキします。どうでしたか??

でも、こうして早いサイクルで公演を打ってきましたが、公演回数を重ねていることで成長しているのも事実。
2011年11月に静岡でのイベント「ストリートフェスティバル・イン・シズオカ」に参加すべく、カラクリの第5回公演『阿吽』をベースにしたものを10月頃から稽古していました。残念ながらイベントが雨で中止となり披露することはできませんでしたが、その『阿吽』の稽古を見ていてですね、非常におもしろかったんです。前にも増して。成長してるんだなーって思いました。私自身の成長はわからないですけど(汗)
これまで再演には興味がなかったのですが、「過去公演の再演というのはおもしろいのかも」という感情が初めて湧きました(笑)

話がそれましたね。すみません。

今回の公演、わたしはちょっと大変なことになっていました。本番1週間ほど前から急に声が出なくなったのです。1~2日で戻るかと思っていたら、悪化するばかり。3~4日後にはかすれるどころか一切声が出ない状態になり、お医者さんからは「普通ならこの状態だと個室で入院」と言われ愕然としました。でも、とにかく日曜日には声が出ると信じてやれることをやるしかなかった。
まだ稽古しなければいけないシーンは山ほどあったので、その後の稽古は、私の台詞はすべて代読み、そして私は体だけ動かして動きをつけるということで対応してもらいました。
そして、聞きたいことはすべて筆談!!
同じシーンに登場していた役者の皆さんにはめちゃくちゃ迷惑を掛けてしまいました。申し訳ない。そして、代読みをしていただいた方々も大変ありがたかったです。ありがとう。特に、今回初参加のゆきんこ(座間ちゃん)には、後半出演していないことをいいことに、たっぷり代読みしてもらうという、先輩にあるまじきことをしてました。ごめんね。もっと稽古したかっただろうに。
でも、こうして極力声を出すのを避け、日曜日に賭けたおかげか、ギリギリ、ほんとにギリギリですが声が出ました。
いつもの私の声ではなかったのですが、今回演じるキャラクターが低い声やハスキーボイスでも破綻しないキャラクターだったというのがなによりの救いでした。今回の公演にかかわった全ての方々の努力を、私の声が出ないことで台無しにしてしまうのではないかと不安でしょうがなかったのですが、最悪の事態にならなかったのでほっとしています。

今回の公演は、「創ったなー」っていう印象。少ない時間の中、悩みながらというよりは、何度もシーンを返し、頭の中で反芻し、またシーンを返していくという中で自然と解消・吸収するという感じ。主に客演さんお二人とのシーンが多かったんですが、お二人ともいろいろ意見を出し合ったり、ときには新人にアドバイスをしていただいたりと、本当にお世話になりましたし、又、稽古が楽しかった!ありがとうございました。

役柄についても、すごく楽しませていただきました。わりとシリアスなシーンが多い役でしたが嫌いじゃない(笑)。というか、むしろ起伏があって好きでした。

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from 上野果実

まずはじめに、御来場くださいましたお客様、公演にあたり御尽力いただきました皆様へ、厚く御礼申し上げます。
うかがった限りですが相当に好評を頂いているということで、細かな反省点は多々有りながらも、劇団として大変ありがたく感じています。
さて今公演ですが、個人的には「stories~水を遣る人~」以来3作ぶり、一年以上空いての久々の出演となりました。前作を出演降板することになり(いわゆるギックリ腰ですねトホホ)、予定していた作品そのものも変更せざるを得なくしてしまったという申し訳なさと、一方でそれを補えるほどのスタッフワーク等での動きが見込めるかといえば、それもなかなかな状況でして、当初は今回についても(出演を)遠慮させてもらう予定でした。カラクリの芝居は、演者も稽古と裏方作業を両立してなんぼよねきっと、みたいな?考えが自分の中にあり(堅いんかなー堅いんやろなー)ロクに携われない状況の中で、舞台上では汗かいて照明当たって気持ちよくなってしまう…というのがどうも…という思いでいたためです。
が、そういった考えやら諸々について諭して頂けまして、腰痛についても「座ってるだけの役だから」「出番も最初と最後だけだから」(これウソ、中盤にも出てた)と配慮まで頂いたものですから、さすがにそこではあっさりと、出演させて頂くことと相成ったわけでございます。
久々の出演にあたっては、やはり不安が先にきまして。まずお客様に声が、言葉がちゃんと届くのかというような、新人と同様にホント基礎的なことが気がかりでした。
現在の稽古場はよく声が響く所ですので(声が小さくても響いてくれるので、それに慣れてしまうと実際の広い会場で声が通らず苦労してしまうんですね、はい)、稽古から意識して本番会場を想定した声を出すようには努めていましたが、座ったままの状態での発声でもありましたので、やはり舞台上で発してみるまでというのは、なかなか落ち着かないものでした。
そこからの演技についてですが、「車椅子へ腰掛けた初老の男」というのは、新境地の役柄でした。身体の表現に制約のある中で、どれだけのことができるのか、また作品中の「異物感」みたいな役どころでもありましたので、その辺りの雰囲気をどう魅せられるのか、といったあたりの取り組みが、先の不安と引き換えでの楽しみではありましたね。
発する一言一言の色、高低、速度、強弱に、顔の表情、首の動きを主に、ここへ普段の身体も使った表現に使うエネルギーを全て注ぎ込むんですが、これがなかなか。なかなかのエネルギーですよこれ。
稽古中に周りから「発散できて良いね」と羨ましがられたりしたこともありますが、いえいえとんでもございません。やはり身体を使った方が発散というか、解放できるんですね。しかも演じる相手が、苦悶する老人ですから、若く外へ飛び出したい演じ手としては(笑)二重の蓋みたいなものを覆い被せての演技だったわけです。ちょっと解放しようとすると、例えばすぐにパワー感が増して、この男を若返らせてしまったりするもので、そういったところを逐一、どうにかギリギリで押さえ込むエネルギー…解放しない為に内向きにエネルギーを費やしたといいますか。逆の使い方をしたのでこれがすごく疲れましたね(笑)、稽古中も一人で座ってやってるくせに一人で頭クラクラさせてました。
ただ、それだけ意識していながらも、ちょいちょい解放して気持ち良くなりたい症候群にかかってしまい、本番でも「あっ今やりすぎたっ」反省箇所もチラホラ記憶があり…「まだまだ甘いな俺も」というオチでございます。
しかしながら初めての取り組みをしましたし、新鮮で非常にやりがいのある、且つ好きなタイプの気色悪~い、良い役を頂いたなぁと、今回多少なりとも携われたことに感謝して、この辺で〆させていただきたいと思います。

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from 中西祥子

絡繰機械’s第11回公演『親指アンダーワールド』無事に終了致しました。
毎回同じ挨拶になってしまいますが、ご来場いただきました皆様、ご協力いただきました関係者の皆様、本当にありがとうございました。

前回の公演からわずか3ヶ月で創り上げた『親指アンダーワールド』。
カラクリ史上最高にドタバタの制作となりましたが、大きなトラブルもなく無事に公演が打てたのも、関係者の皆様と客演の皆様の協力があったからこそです。劇団員だけではきっと乗り越えられなかった今回の公演を、大きな成功へと導いてくれた皆様に本当に本当に感謝しています。ありがとうございました!!

役柄について、今回私は「ブランケット女」というちょっと変わった役をやらせていただきました。
実はこのキャラクターなんですが、『親指アンダーワールド』の稽古がまだ始まる前、即興劇(エチュード)の練習をしているときにたまたま出てきたキャラクターなんです。自分でも考えなしにやったこのキャラが意外に面白かったんで、もう少し掘り下げてやってみたいと思い、今回の役柄を決めるときに唐津さんに希望を出してみました。
今まで私が演じてきたキャラの中にはなかった、いわゆる“いじられキャラ”をちゃんと演じることが出来るのだろうかという不安はあったんですが、こんな風に演じたいというイメージが初めからあったおかげか、台詞に捕われることなく非常に自由に演技させてもらいました。結果、今までで一番ダメ出しの少なかった役となり、まさに放牧状態!演出から何も言われないのをいいことに、思いついた演技を片っ端からやっちゃいました。あー楽しかった(笑)
本番前はいつも緊張して無言になってしまうのですが、今回に限っては自分でもビックリするくらい緊張しなかったんですね。それもきっと、この「ブランケット女」という役が本当に自由で遊べる役だったからだと思います。観客の皆さんにも好評だったようで、特に女性のお客さんからの支持が大きかったです!女の子が可愛いと思う女の子になれてよかったです(笑)

スタッフについて、前回に引き続き「舞台監督」「大道具」「衣装」と3つの部署で今回も動かさせていただきました。
振り返ってみると、どれも中途半端な関わりしか出来なかったような気がしていて、自分としては非常に心苦しい思いを今もしています。とくに大道具に関しては、後半から全く関わることが出来なくなってしまったせいで、前日の仕込みの段階で指示を的確に出すことが出来ず段取りが遅れてしまったように思います。関わる時間が減ったせいで大道具班のメンバー一人一人の負担も大きくしてしまい、役者として舞台に関われる時間を多くもたせてあげられなかったのは本当に申し訳なかったです。
舞台監督に関しては、舞台監督としての仕事はまずまず問題なく行えたんですが、制作関係について全く状況を把握していなかったため制作の遅れが出てしまったことは今後改善していかなければならないと思いました。制作に関わるスタッフを増やす、もしくは舞台監督が制作の動きも把握していく必要があるように思います。
衣装に関しては・・・・自分で作れる技術をもう少しつけていかなければならないように感じました。私自身の洋裁の技術をあげていかなければ今後の活動は苦しくなっていくと思うので、裁縫教室に通うことも検討していこうと今は考えています。もしくは洋裁が得意な劇団員を獲得するかですね(笑)。正直、どちらにしてもちょっとだけ気が重い・・・なーんて、ちょっとだけ愚痴ってみました、すみません。でも頑張りますよ!衣装だけは他の劇団員に任せることが出来ない、唯一の私の部署だと自負しているんで、出来る限りの努力は続けていきたいと思います!
あとは肩書きとしては入ってないのですが、照明の吊り込みやバラシで動くことが今回非常に多く、今後はカラクリ照明班として動く機会が多くなりそうです。そうなってくると、大道具との両立がどこまで出来るかが心配ではありますが、照明の作業は比較的好きなので技術の向上目指して頑張っていきたいと思います。

嬉しいことに観に来ていただけるお客様の人数(観客数)がここ最近増えてきまして、関係者の輪も広がりをもちつつあります。劇団員も増えそうな傾向にある今、絡繰機械’sは大きな分岐点を迎えようとしているのかもしれません。そういった動きの中で、私自身が劇団のために出来ることはなんなのか、もう一度じっくり考えてみようと思います。きっとこの先だと思うんです、私の真価が問われるのは。くー、堪りませんねー、このドキドキ感!

以上、拙いながらも『親指アンダーワールド』の所感を書かせていただきました。
最後まで読んで下さってありがとうございました!

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from 森歩

今回の公演にご来場頂きましたお客様、お手伝い頂いたりご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。
大きなトラブルもなく無事終了することができてほっとしています。
今年は5周年ということでしたが、3月の「DUAL」から今回の「親指アンダーワールド」まで連続で客演を迎えたり、新人が舞台に立ったり、中西さんを始めとして劇団員が映画に出させて頂いたり、今までとは違う場所を稽古場として使用させて頂いたり、と人のつながりが広がった一年だったと思います。
今まで支えてくれていた方たちに加えて、新たにお世話になった方たち、そしてそこから派生する広がりに支えられて活動してきた一年だったように感じます。
■役について
今回の役「オモワシゲ」は、作品の中では上野さん演じる老人となったセットが作り上げた空想の存在で実在していません。
アヤシゲ・クヤシゲも同様ですが、他の出演者とは衣装もメイクも大きく異なる割に演技は普通というか、日常に近い演技になってしまったように思います。衣装・メイクを生かしきれませんでした。
演出からは「ポップな中にも落ち着きを」と言われたのですが落ち着きだけになってしまいました。
アヤシゲ・クヤシゲと3人で出ることが多かったオモワシゲは、2人より少し年長、3人の中では引っ張っていく存在と認識してやってました。しかし、自分のことで一杯一杯になってしまい、そのあたりも稽古を含めてうまく出来ませんでした。
そこを上手くフォローしてくれたブランケット役の中西さんには本当に助けてもらいました。
他にもセリフ間違いや段取り違いで迷惑をかけた、一緒に舞台上にいた他の出演者には申し訳なかったと思います。
また今回痛感したのは、体力が落ちていたことです。若い人と一緒にやっているため余計そう感じたのかもしれませんが、少し稽古すると自分だけ息が切れている状況にそれを痛感しました。体力はたぶん落ちる一方なので、なんとかしなければと思います。
それでも今回は大きなミスや間違いがなく、なんとか演じられたことがまずはよかったと感じました。
■制作について
今回も9月公演に引き続き制作を担当させて頂きました。
2回目となり、やっとなんとなく分かってきたように思いますが、自分でできることは限られているので、今回も劇団内外で色々な人にお世話になりました。
制作がもっと積極的に動ける部分もあったはずですが、それがしっかりできなかったことで遅れたり時間がかかってしまったこともあるため、今後への反省点と捉えています。
簡単ではありますが、第11回公演「親指アンダーワールド」の所感とさせて頂きます。
本当にありがとうございました。

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from 太田直宏(客演)

公演に来ていただいた皆様、ありがとうございました。
役者としての所感から。
前回に引き続き、客演さしていただきました。今回も自分の苦手とする方向に挑みました。苦手なことの克服は、本当に大変です。
自分では、その壁を越えたいと、色々と試してみるのですが、一つ、掴みかけると、別な物が現れて、違和感を感じたり、それを、何とかしようとすると、別の所に歪みが生まれる。チームの役者との稽古の中で、相手の行動や、セリフに対応し、その中で、自分の役を作り上げていきながら、苦手に悩まされながらでしたが、とても充実した時間でした。
続きましては、スタッフ側の所感を。
今回は、大道具、小道具のスタッフとしても参加したのですが、時間の少ない中での、設計、制作となりまして、特殊な舞台だったため、制作物の強度を出すことに、かなり悩みました。最終的には、それを元に、皆の意見を取り入れていくという形でした。なかなか、一人では、いい案が思いつかず、皆で話し合うのは、大切でした。
反省点としては、発泡スチロールの重さを、甘く見ていました。これは、大いに反省しています。仕込んでみなければ、解らなかったことが幾つか有り、改めて、難しい物だと再確認しました。どんなに考え抜いても、アクシデントはあるものですね。なかなか、万全とはいかないものだと、痛感しました。

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from 座間優貴

はじめまして、こんにちは!
今回仮団員として人生初の舞台に上がらせて頂きました、座間と申します。
ご来場頂いた皆さま、この公演に関わって下さった方々に心から御礼申し上げます。
加えて、唐津さんや絡繰役者陣の方々にも、たくさんの感謝の気持ちを伝えたいと思います。こんな私でも皆さんと同じ舞台に立てたことを誇りに思います。本当にありがとうございました!

―公演について―
何もかも初めての現場で出来ないことがあるのは当然かと思いますが、それにしても迷惑しか掛けられなかったという思いばかりが頭をよぎります。役に立ちたいと思っても、空回りして失敗する。すると今度は次の失敗を恐れてどんどん心が萎縮していって何も出来なくなっていく…でもそれこそもっと迷惑をかける結果になったんだと思います。学生で、舞台の経験が無いからといって許されると思ったら大間違いで。家に帰るたび毎回弱いなー甘いなーだめだなーとしょんぼり。
演技の技術うんぬんもツッコミ所が多々あるんですがそれ以前に自分自身をなんとかしなくては次の一歩を踏み出すことは無いんじゃないかなと思っています。責任感を持つ、わからないことは聞く。等すべて大人として当たり前のことです。次の公演では何よりも先にそこを改善したいです。

―演技に関して―
稽古に参加して始めの時から言われ続けたことが最後まで治ることが無かったのが悔しいですね。直らなかったことはいくつもあるんですが、特に「口先だけの演技」をするクセを直すことが全く出来なくて。会話文や短文なら今ではいくらかましになったかもしれませんが、長いセリフになるとうるさいしゃべり方しかできなくなるんです。自分でもこれがなぜかと考えてみたんですが、家で何かのワンシーンを読んでみたり、漫画のセリフを読む1人遊び(文字にすると切ないですが、結構楽しいんですコレ)をしていたのが原因の一端のような気がします。考えてみれば、やっていることはアテレコであって演技では無かったんですね。1人でセリフ読みをするのも、自分ではやればやるだけ良いと思っていたのにむしろマイナスにしかならなかった。
「口で感情を動かそうとするのではなくて、感情を生まれさせることで言葉が出てくる、演技になる。」これを唐津さんから聞いた時、たしかにそれが人間の自然な動作だということに合点がいきました。

なにはともあれ、絶対的に経験値のない私です。これから、たくさんものを見て学びたいと思います。
至らないところばかりありますが、自分のしたいと思ったことは絶対に辞めたくありません。わがままです。でもこれだけは変えたくありません。
毎回少しでも皆さまに成長した姿をお見せできるよう精進しますので、これからもよろしくお願いします!

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from 安食宏美(客演)

まずは、観に来てくださったお客様、応援してくださった方々、本当にありがとうございました!
関係者の皆様、本当にお疲れ様でした!
二度目の客演をさせていただいて、ありがとうございました!
前回に引き続き、二度目の客演となって・・・あたしとしては、非常に嬉しいことでした。
二度目ってことで、前回よりだいぶお互いに「わかってきた」というか、客演のあたしが言うのも変な話ですが、今回の公演体制は、メンバーが結構いい「チーム」になれていた気がします。
このメンバーなら、いいものが創れるっていう実感が、あたしの中では、かなりありました。
役者としては・・・
今回、公演前に「どんな役をやりたいか」と聞かれて、「第一印象と違う役」ということでお願いしたんですが・・・
いかかでしょう?第一印象と違ってましたか?
自分としては、前回とは大きく違う役、あまり自分には来ないような役だったので、とてもやりがいがあったし、やっていてなかなか楽しい役でした。なかなか普段は開けない抽斗を開けて引っ掻き回したら、あの「アヤシゲ」が出てきた感じです。
あと、今年の春、最初にオファーいただいたときにお願いした、「衣裳衣裳した衣裳が着たいです!」という希望が叶ったので、すごく嬉しかったですね。
スタッフワークの面では、反省点というか、自分が今後やっていく上での課題、をたくさん見つけることが出来た公演でした。
芝居以外でも、ちょっといろいろと岐路に立っている今、「芝居を続けていくにはどうすべきか」を、考えることになりました。
なんとなく、方向は見えてきた気がするので、そのきっかけになった、今回の公演にとても感謝しています。
前回の公演の所感では、
「いつも芝居をいつ辞めようか悩むけど、まだ先になりそうです」って言いましたが、当分、まだまだ先のようです。

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from 河野丈志

見に来てくれた方々、手伝ってくれた方々、見にこれないけど応援してくれた方々、本当にありがとうございます。
今回は初舞台でとにかくがむしゃらに駆け抜けました。でも終わってゆっくりしてても時々、幕が上がっていく冒頭のシーンや舞台上でぷっちん数えてるシーン、最後のあいさつなどいろいろなシーンがよぎってきます。
時々顔から火が出そうな失敗も思い出して時々のたうちまわるのですが…。

本当にいろんなことを学びました。自分はファンから入ったのですが前よりもカラクリが好きになってます。
その気持ちを大事に次につなげていこうと思います。

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from 伊藤彩希

絡繰機械‘s第11回公演「親指アンダーワールド」にご来場いただいたお客様、ご尽力いただいた関係者各位、本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

役者について。
前々回のDUALに引き続き、今回も苦手な役どころへの挑戦でした。いわゆる女の子らしい女の子というか、可愛らしい感じの。無邪気で純粋な感じの。正直死ぬほどやりたくない(笑)役柄だったんですが、与えられたからには全力で取り組まないといけません。
結果は……うーん。微妙。微妙ですねー。
もちろん今回の状況下で出来る範囲のことをしたつもりですが、「出来る範囲」だった感は否めません。「私がこんな可愛い役やったって誰も喜ばないどころか怒られるんじゃないかむしろ」と言う恐怖心に近い妙な感情を捨て切れずにいました。
その役である自分を違和感なく見せるということ。
これがとても難しいのです。自分で自分に違和感を感じている場合じゃないのです。
実際にはあまりにも時間が無く、そんなこと言ってる暇あったら1シーンでも早く作り上げろ状態だったので、そんな違和感は3日で捨て切ってやりました。自分は常に出来ることしか出来ないけど、せめてその出来る事を常に100%でやらないと追いつかない。そんな切羽詰まった状況の中で、それでも挫けることなく乗り切れたのは、いつでも明るく優しい客演さんたちと、文句言う暇があったら稽古するストイックな劇団員のおかげです。
悔しかったのは「時間が無いから見逃して貰えてしまった」私の駄目な部分です。
何といっても最後のシーン。全く美しく舞えませんでした。あれは非常に悔しい。丁寧で美しい動きっていうのがどうにも苦手です。
ただ、苦手意識があるわけではありません。「綺麗な動き」への想像力が乏しいのでしょうか、なんというか、動いている自分を客観視できなくて、美しく舞えないんですね。単純な筋力不足を差し引いても、あれはひどい。
はい。頑張ります。
「丁寧に丁度よく」が私の今回のテーマでしたが、これは次回もそのテーマになりそうです。
ま、でもですね。
楽しかったです。
色んな役に挑戦させてもらえて、私なんかにこんな可愛らしい役をやらせてもらえて、嬉しかったです。「苦手な役への挑戦」というのは、どうにも役者のわがままのような気がしてしまって、お客様に申し訳ないなあと思ってしまうのですが、いわゆる「得意」な役をやったときよりも得られるものは間違いなく大きいです。
そうして劇団員がそれぞれ成長していって、回を増すごとに毎回毎回面白さが増していく。そういう劇団でありたいなあと思います。

美術について
はい。今回はですね。
……あんまり語りたくないですね。
私はこれまで毎回、公演さえ終われば体力も気力も回復して、元気になって「早く次の芝居したいなー!」というタイプだったんですが、今回は違いました。
終わっても気が休まらない。不安が消えない。
こんなことは初めてで、終わった直後の一週間くらいは本当にどうしようかと思いました。
とりあえずは内容から。
年間計画の時点では「秋公演は素舞台で」との話も出ていたくらい、今回は「シンプルに」がテーマでした。去年の芸術祭でやりすぎた感もあり、これはどっかで止めないとキリが無いぞと。
これはですね、非常に難しいんですけど、「2日で作れる」っていうのが条件なんです。おそらく。楽をしすぎても駄目だし、きつ過ぎても駄目。
舞台セットをそれなりに褒めてくださるお客さまも中にはいるわけで、その人たちをがっかりさせない程度は作り込まなければならない。
……いや、簡単にカッコよく出来る術があれば、それに越したことは無いんですが。「丁度良い美術」を目指さなければなりません。そしてその作品に丁度良ければ、素舞台と言う選択肢が生まれる事もあります。
なんというか全体的に私に足りないのはバランス感覚です(苦笑)
舞台の構成は非常にシンプルで、自由度の高い仮設舞台による変形舞台と、奥に上下動する親指のオブジェ。
これだけです。これだけなのに、やっぱり大変でした。
詳細は、まあここに書いてもしょうがないのですが、簡単に言うと、会場での仕込み時に親指が上手く吊れなかったんですね。準備や確認不足がたたって、上下動の核となるはずだったパイプが試し釣りの段階で折れてしまいまして。唯でさえ自分の馬鹿みたいな確認ミスで予定時間をオーバーしていた全く余裕の無い状況だったにもかかわらず。
私は今回初めて、一瞬ですが舞台上で諦めました。
思い出したくもないですが、「あ、これはもう無理だ。」と、明確に諦めた瞬間がありました。そのまた次の瞬間には、お手伝いさんや客演さんや後輩が対応策を考え出してくれて、すごく恥ずかしくなりました。そして情けなくなりました。
一番落ち着いていないといけない立場の私が、真っ先に諦めるなんて言語道断だと。あの時あの場にいた人たちには、本当に申し訳ないと思いながらも、本当に本当に助けられました。これが5年前だったら、間違いなく親指は吊れていなかった。
吊れてよかったです。
3回とも問題なく動いてくれて、本当に良かったです。ありがとうございます。
出来ればこんな思いはしたくなかったけれど、とても良い勉強になりました。
こののたうち回るような悔しさを糧にして、次回に生かしていきたいと思います。
いやー……悔しかった!!!!!
さてさて。
今公演の私の所感はそんな感じです。
公演全体としては……うん。そうですね。
楽しかったです。とても。
どんなに切羽詰まった状況でも、何とかしようとする人間が集まったこの集団で芝居ができることが、私はとても幸せです。あ、そういえば余談ですが、親指を吊れなくてテンパってる私に、客演の安食さんがニコーっと笑いかけてくれた時がありまして、うっかり惚れそうになりました(笑)ありがとうございます。とっても癒されました!!
とはいえ客演さんに励まされているようじゃ劇団員失格ですね。あーあ、もっとしっかりしないとなあ。
ではでは、皆さま、ご来場誠にありがとうございました。
次回は2月静岡、6月浜松です。
またもや全力で頑張りますので、是非是非ご観劇くださいませー!!

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from 杉村昭人

今回ダンディという役をとても楽しく演じさせていただきました。
あらゆるところで登場して、しかもハットにステッキ。こういうアイテムがあるのはとても嬉しかったです。
次このような役ができる日はいつになるか(笑)
また役者の数も多く、稽古時からいろんな案が生まれて楽しかったです。
しかし毎回思うのですがやはり役に対してもっとできたと感じました。
日々精進していきたいです。
今回公演を見に来て下さった方々、関係者の方、ありがとうございました。
よろしければまた次回も見に来てくださいね!
ありがとうございました。