お能 meets 現代演劇 at 『船弁慶』

第15回公演『船弁慶』

船弁慶意外に、エンタメ。案外、お能。

シリアスで優美な幽玄の世界と、
コミカルで激しい絡繰機械’s。
ふたつの世界の出会いが生みだす奇妙なハーモニー。

昨秋、嵐の中で上演され、お能好きの方はもちろん、お能も芝居も初めてという方からも高い評価を得た『お能 meets 現代演劇』シリーズ。
お能と聞くと、高尚で難解で……って、ちょっと待った!「現代的な視点で見てみると、ナンセンスな笑い要素やシュールな展開満載」と脚本・演出の唐津が言うように、実はナニゲに楽しいエンタテイメント。しかも今回の題材は、数ある演目の中でも変化に富み人気の高い『船弁慶』。絡繰機械’s得意のコミカルさとスピード感が加われば、コムズカシイ印象はどこへやら、おバカで熱い、ドラマティックな舞台になるのです。
源義経を襲った奇妙な事件を描いた原作に、カラクリ独特の世界観や解釈を加え、より彩り豊かになったカラクリ流の『船弁慶』。むしろお能を見たことない方にこそ楽しんで頂ければ、幸いにて候。

■脚本・演出:唐津匠
■CAST:
平知盛ほか:中西祥子
静御前ほか:たばるとも
武蔵坊弁慶ほか:伊藤彩希
源義経ほか:森歩
船頭ほか:河野丈志
■謡・囃子:
ざざん座能舞台
シテ謡:鈴木安彦
地謡:鈴木征彦
笛:佐藤謙
小鼓:岩上治
大鼓:小澤靖
太鼓:佐藤秀子

■STAFF:
構成指導:鈴木安彦
お囃子構成:佐藤謙
謡、舞指導:小澤靖/岩上治
面提供:神崎元志
脚本・演出:唐津匠
舞台監督:伊藤彩希
美術:伊藤彩希
大道具:伊藤彩希/太田直宏
小道具:伊藤彩希/河野丈志
衣装:中西祥子
照明:唐津匠
照明操作:中真穂
宣伝美術:唐津匠
web:たばるとも/唐津匠
制作協力:八重樫剛
制作・宣伝:たばるとも/絡繰機械’s

■Special Thanks(順不同・敬称略)
田町パークビル株式会社、鈴木基夫、大東翼、とりい、たけし文化センター インフォラウンジ、西部演劇連絡会、浜松写真連絡協議会、東三河演劇ネットワーク、草能の会、ざざんざ能舞台、遠州こだわりネットワーク、遠州WebTV、FM Haro!、はまかる.net、Hamazo TV、浜松百撰 ほか

 

船弁慶船弁慶

 

『ざざん座談会』ー前編

ざざん座能舞台 meets 絡繰機械's

昨年始めて試みた能と現代演劇とのコラボレーション『能 meets 現代演劇』シリーズ。その第2弾『船弁慶』の公演を前に、ざざん座の方々をお迎えして能や次回公演についてお伺いしました。 続きを読む

『ざざん座談会』ー後編

ざざん座能舞台meets絡繰機械’s

さて!こちらは『船弁慶』web企画『ざざん座談会』後編です。引き続きお楽しみください! 続きを読む

船弁慶 フォトギャラリー

113 photos.

2014年11月24日にクリエート浜松にて行われました絡繰機械’s第15回公演「お能 meets 現代演劇 at『船弁慶』」の公演写真をupしました。 …→ギャラリーを見る

船弁慶〜メイキング〜

104 photos.

第15回公演「お能 meets 現代演劇 at『船弁慶』」のメイキング写真をupしました。 …→ギャラリーを見る

『船弁慶』公演所感

2013年9月28日に行いました公演『お能 meets 現代演劇 at『船弁慶』』の所感です。

【中西祥子】
絡繰機械’s第15回公演『船弁慶』終演致しました! ご来場いただきました皆様、公演を手伝って下さったスタッフの皆様、協力いただいた関係者の皆様。 トラブルもなく無事に公演を終わらせることが出来たのも皆様方のおかげです。本当にありがとうございました!! 皆様に支えられて、絡繰機械’sは舞台を創ることが出来ています。 至らない点もあるとは思いますがこれからも劇団員一同精進していきますので、今後もあたたかく見守っていただければ幸いです。

今回の舞台。能舞台をカラクリ流にアレンジしたこの舞台が私は大好きです。 幽玄という意味をあまり理解していない私が言うのもあまり説得力がないような気がしますが、この舞台はシンプルで美しく、見ているだけで心が落ち着くような気がしました。お寺にいるような感覚と割と近いのかな。 舞台を取り囲む石庭も、空調の風で揺れる松羽目の音も、照明の光に反射しして化粧板や天井のアクリル板に写し出される舞台も全てが人工物でありながら自然を感じさせるんです。 たった一日で壊してしまうのが勿体ないくらい美しい舞台。そんな舞台を創り上げた自分たちを誇りに思います。

今回私は、平知盛という歴史上の人物を演じたんですが、この役、自分が今まで演じてきた役の中で1位2位を争うくらい苦戦したキャラクターとなりました。演出からも厳しいダメ出しを毎回毎回もらい、悔しい思いもたくさんしました。 でも、諦めるっていう気持ちは微塵もなかったです。この悔しさは絶対に忘れない。自分が足りていないから出来てしまった貸しは、上手くなって返すしかないんです。何でも演じられる役者になりたいと望んだのは自分自身。だからこれからも精進あるのみ。 私は役者としてもっと絶対うまくなります。そうじゃなきゃ今回感じたこの悔しさは意味がないですから。
前回の『鵺』に続き、今回も装束と面をつけて仕舞をさせていただきました。指導いただいたざざん座能舞台の皆様、とくに小澤さんと安彦さんには本当にお世話になりました。基本的な所作もままならない私を一から丁寧に指導してくれ、舞台に立てるまでに仕上げて下さったお二人には感謝の気持ちでいっぱいです。 お客様の前でシロウトの私が仕舞をするのは、結構緊張します(笑)それでも多くのお客様に仕舞を誉めていただけたので本当に良かったです。もっとうまく舞えるようになりたい。心底そう思いました。こちらも精進あるのみです!

今回2回目の挑戦となったお能と現代演劇のコラボレーション。このような舞台を創ることが出来たのもざざん座能舞台の皆様の深い理解と協力があったからこそです。私たちの無理難題を「面白そうですね!やりましょう!」と笑顔で引き受けてくれる皆様方の支えがなければ、カラクリ版『船弁慶』は完成しませんでした。 深夜遅くまで稽古に付き合ってくれ、一緒になって舞台を良くしようと考えていただき、本当にありがとうございました。
たくさんの方が応援に駆けつけてくれ、差し入れもたくさんいただきました。応援していただけるというのは本当にありがたいことです。 私が出来るのは舞台の上でお礼を返すことだけ。 私はもっともっと上手くなります。絶対になります。だからこれからも応援していただければ幸いです。

【伊藤彩希】
えー・・・あけましておめでとうございます。 2014年です!今年もよろしくお願いします!!
2013/11/24 絡繰機械‘s第15回公演「船弁慶」にご来場下さった皆様、 お手伝い下さった関係各位、 応援して下さった方々、 ご尽力くださった「ざざんざ能舞台」の皆さま、 そして真剣に倒れそうな中なんとかやりきった劇団員、 皆々様に厚く御礼申し上げます。 本当に、本当にありがとうございました!!
はい。所感の締め切りをぶっちぎってコンバンワ。 伊藤です。稽古場日記風に言いますと、きゅんです。どうも。 過去最大に出すのが遅れております今回、 せめてもの償いとして、いつもより短くまとめさせていただきます! さらっと!さらっとお読みいただけるように善処いたします!!

スタッフワークについて。えー、今回はですね、「能舞台をどういじったらいいんだろう」というところに、 非常に苦労させられました。 もともと能舞台は完璧に完成された抽象舞台なので、どんな風に手を入れたところで 小賢しい感じになっちゃうんじゃないかと、 それを心配しつつ演出との打ち合わせに臨んだところ、 怒らせました。ええ、それはもう。 私が「でも伝統が~」「格式が~」云々ウダウダ言っている時にですね、 「俺はもう3案位思いついてるからお前が何も考えないならもうそれでいくから」 とのお言葉をいただきまして、 なんかこう、力がすーっと抜ける思いでした。 どうしても美術を考える時っていうのは、アイデアに行き詰まれば行き詰まるほど、 「どんなのだったら演出のお気に召すか」的な考え方に傾いていってしまうんですね。 でも、演出の気にいるものは既に演出が思いついてるんですよ。 その思いついたものを後出しするだけなら、それじゃ私いらないんですよ。 つくるのだけやってればいいんですよ。 すでに思いついてるんだったら、私は私でもうちょっと気楽に自分の気にいるものとか これ楽しい!とか思えるものを幾つか出してみても良いかもしれんなあ、と。 そう思ったのでした。 いや、前々から言われてはいたんですけど、どうしても自分の気にいるものって、 演出と好みが違うわけだから、ただただ自己満足美術になっちゃうんじゃないかなー、と、 まあなんやかんや余計な事を考えてここ数年本当にどんどんなにも思いつかなくなってきた ところでした。ちょっと辛くなっておきたところでした。 で、そのあとに出したジャリジャリ枯山水的禅寺風時々上映る美術が素案として通ったのでした。 「珍しく意見があった」とのお言葉を頂きました。 大変嬉しかったですが、なんかもうすみません。 なんというかこれは、思い出しただけです。 というか、方程式を用意してもらって、一個だけ思い出したもの置いて見た、みたいな。 やはり演出様々な美術だと私は思います。 せっかくなので流れを下に記しましょう。
(伝統芸能の本をパラパラめくりつつ) 「あーもーなんにも思いつかない。もうだめだーもうだめだー」 「いやーもう能舞台綺麗だなー。」 「ほほう。能舞台の周囲に敷き詰められている玉石は野外にあった名残で、当時は照明の役割も果たしたと。はーん。」 「もう完璧だもの!能舞台完璧だもの!どういじったって絶対誰かなんかいうもの!(←根暗)」 「あーもういっそ石敷き詰めるか、石。」 「そういえば昔クリエイトさんで砂敷き詰めようとして止められたつってたなあ。」 「………石なら良いんじゃね?」 「いやでも石敷き詰めたところで能舞台そのままじゃねーかって言われるなあ」 「そういえば鳴砂スパイラルの時に砂紋とか風紋とか言われたような言われなかったような」 「でもな、石に風紋なんかつけたところでただの飾りも甚だしいな。」 「うー、うー、できないよーできないよー、………お。(ふと夏に行った京都旅行を思い出す)」 「禅寺きれいだったなぁ、うん。…あ!波模様!」 「波!海!船弁慶!これ絵描ける事にしたら成立するんじゃね!?」 「いや、だめだな、客席から見えないな。あー上手くいかない上手くいかない。」 「あー、そういえば王の剣の時上にアクリル吊って反射させて映したいとか言ってたなあ」 「つーかこの間の打ち合わせの時も言われたわ!何映すつもりだったんだろう!これか!?まさしくこれか!?」 「うつるじゃん!これ筋通ったじゃん!」 「おー、一個できたー…」
てぇ感じです。 うん。これ私考えてないですね。まだまだです。 でも美術はやっぱり好きです。できるところまで頑張ります。 製作に関しては、人の動かし方とか、多大な反省点はありますが、 読んで楽しい感じに書ける気がしないので、これは私の中で次回の糧として持って行きます。

役者について。 ここまででずいぶん長くなってしまいましたので、 さくっと!さくっと書きます!! 私の今回のこっそり目標は、 「中西・たばるが舞台上にいないときでもちゃんと場を持たせられること」でした。 二人がおシテさんとして舞う、と決まった時に、ひっそりこっそり決めていました。 だって舞って絶対大変だもの! そしたら私がその分喋る!そして場を待たせる! と。 人数が少ない環境は、劇団員を強くします(笑) 実際には客演の森さんにおんぶにだっこで助けていただきました。 ありがとうございます。森さんとお芝居できて楽しかったです! いやー。 もっと上手くなりたいと思います。 この一年は本当に、役者としても色々な経験をさせてもらいました。 出来ない事を心底恥ずかしいと思ったり、 人に笑ってもらえるということは何て素晴らしいんだろうと思ったり、 心底理解できない感情をどうやっても表現できなかったり、 声が思うように出なくて、こんなもどかしいことはない!と思ったり。 とても悔しく幸せな一年でした。 あ、年明けてますけど。すいません。 ホント締め切りやぶってすみません。 なんか私、声が大きいだけだなと。そこに甘えているなと。 そう思います。 他にも武器が無いと、この先きっと厳しい。 でもウキウキします。 まだまだこの先には上手くなる道しかないので。 あとあれですね、具体的な反省点としては、 今回おそらく今までの公演の中で一番稽古時・本番時・リハーサル時ともにムラがありました。 「1㎜くらいはマシかもしれない」芝居が出来たときと 「それ、ただなぞろうとして失敗してないか?」芝居になってるときの高低というか、 自分のストンと落ちてくる加減の差が激しかったように思います。 誰だったか忘れましたが、「本番で100%なんて絶対でないから、稽古で150%の力を身に付けとけ」と言っていました。 そうします! 稽古で目指せ150%!! 上手くなんないと年齢的にもう皆許してくれないんだ!!(笑) はい。 そんなこんなで所感とさせていただきます。 応援してもらえる責任を携えつつ、今年もきっと忙しいので! 楽しく必死に駆け巡れたらと思います。 劇団員欲しい!!
ではでは。 結局長くなってしまいましたが、読んでくださって、ありがとうございました。 と、すみません。 最後に大事な事を。 大道具製作にご尽力いただいた方々、本当にありがとうございました。 挫けそうなところをいつも支えていただいております。 公演終了後、砂利の片づけを手伝っていただいた皆様、 本当にありがとうございました。 おかげ様で、退館時間に間に合わせる事が出来ました。 皆様のお力添えが無かったら、確実に間に合わなかったと思います。 埃まみれにさせてしまったあげく、お礼にお茶の一杯もだせず、 本当に申し訳ありませんでした。 こちらの準備不足でたくさんの方にご迷惑をおかけしてしまったこと、 心よりお詫び申し上げます。 本当に、本当にありがとうございました! そして最後の床大雑巾掛け大会まで残って手伝ってくださった演劇・劇団関係者のみなさま。 ヘロヘロな状態の我々を気遣っていただきつつ、 明るく楽しい雰囲気で最後まで付き合っていただき、 本当にありがとうございました。 もうお礼しか言えない自分が口惜しいです。 あれはもう人生で一番楽しい雑巾掛けだったと思います。 でも、もうホールで砂利は使いません、二度と(笑)

【たばるとも】
絡繰機械’s第15回公演 お能 meets 現代演劇 at『船弁慶』 ご来場いただきました皆様、ご協力いただきました皆様 本当にありがとうございました。
今回は能とのコラボレーションということで、まずはやはり能のことから。 この公演では主に『静(静御前)』をさせていただいたのですが、その中で「舞」もさせていただきました。 web企画でも触れましたが静の舞は大変だよーとお聞きしていたのですが、「できる」「できない」という前に、舞が楽しかったのか、大変さが気にならないくらい楽しんで稽古してました。自主練も結構したりして。稽古前に4時間ほどひたすら歩くとか(笑)。稽古量はハンパなかったのでそういう意味では大変ということになるのかもしれませんが、全然苦じゃなかったのです。私、舞好きみたいです。ただ、好きでも習得は大変。もう習得なんて全然まだまだですもの。そこは悔やまれます。もちろん、あと何百時間と稽古を積んでもまだまだ追いつかないのは当然なのですが、岩上さんのように舞いたい!小澤さんのように舞いたい!あの資料VTRの静さんみたいに舞いたい!って思いますもの。だからその分はやはりクヤシイ。でも、そのときの精一杯の別れの舞をしました。心の中も悲しみに包まれていました。伝わっていたら嬉しいです。
そして現代演劇での「静」。森さんの演じる義経とのゆったりとしたシーンがあったのですが、このシーン、なかなか時間の取れない稽古日程の中、この2人だけが稽古場にいた日がありまして、そのときに時間をかけて(と言っても2時間程度ですが)じっくり稽古ができました。実はここで創った静像がキーとなり他のシーンで創っていた静を少し変えることになりました。自身のブログにも少し書いたのですが、この辺りから「どう稽古すればいいのだろう」という思い・迷いはなくなりました。 また、今回は静の他に、二位尼、北条政子をさせていただきました。この二つの役も好きでした。この二つの役があることで不思議と自分のバランスを保てたような気がしています。

公演の2ヶ月前、9月の下旬から4週連続で毎週末にイベントをすることになり、本格的に『船弁慶』に取りかかることができたのは公演一ヶ月前からでした。ただ、今年の『はままつ演劇・人形劇フェスティバル』で、能とのコラボで船弁慶をやろうというのは半年前から決めていたことだったので、時間がないからという言葉に寄りかかって甘えてる場合ではないというのはありました。それでも時間的には相当キビシイ。ある日、このペースだともう無理なのでは?と思いながら稽古場に向かったことがありました。なんなら稽古場に着いたら、すでに他の劇団員が「どうしよっか」なんて話し合いでもしてるんじゃないかな、とか思ったりして。そんなことを考えながら稽古場に着いたら、普通に稽古してました(笑)あほがたくさんおるなーと笑えてしゃーなかったです。もちろんいい意味。 これでリラックスでき、また気合いを入れ直したのもこの日だったと思います。 劇団としてまだまだ課題があります。劇団員の健康に留意しながら精一杯のことをしようと思っています。劇団員も年々歳をとってますから(笑)無理のない範囲でね。

そして最後になりましたが、ざざん座の皆様、本当にありがとうございました。 稽古の日は毎回のように夜遅くまでお付き合いいただき、また、稽古を付けるだけでなく、深夜0時近くにお手本の舞をしていただいたりと、もうなんとお礼を申し上げたらいいのかわかりません。また、音楽についてもカラクリからの様々なオーダーにお応えいただき、優雅で、また時には勇壮な音を奏でてくださいました。本当にありがとうございました。

【河野丈志】
今回、船弁慶の公演をするとのことになり、史実では何があったかを知るため大河ドラマの”義経”を見ていたのですが義経が大分かっこいい。いいやつだし、部下から好かれているし、先見の明もある。 でも個人的には今回のお調子者で世間知らずな感じの義経が好きです。人間らしくて。かわいいところもある。ただ弁慶はよく付いていったなと思います。むしろ弁慶の辛抱強さに心打たれます。 実際の義経は卑怯者と呼ばれる事を戦でしていました。奇襲を仕掛けたり、海戦で船を漕ぐ船子を矢で射ったり。当時は「武士は正々堂々戦うべし」みたいな共通意識があって、戦う日時も両者の間で取り決め、船子を矢で射るなんてもってのほかというのが普通だったようです。公演の冒頭で平家が壇ノ浦で滅ぶシーンで知盛の言葉の「戦作法も知らぬ東男(あずまおとこ)共でありますれば・・・」というのも納得です。 そしてそれを自分はお能の方々からお聞きして知りました。やってみて分かる事というと語弊はありますが、関わったことで知る事ができたこと、それが自分の中に蓄積されていく感覚は楽しいです。 改めてお能の方々にお礼を申し上げます。稽古も遅くまで付き合っていただき本当にありがとうございました。

そして船弁慶を見に来てくれたお客様、応援してくれた方々、手伝ってくれた方々、砂の片付けを手伝ってくれた方々、本当にありがとうございます。 今回の公演で感じた事は、自分は1つ1つが遅い、理解が乏しい、精度が悪い、質が悪い、読みがない、挙げ出せば切りがないです。それは稽古でも、大道具作りでも。 だから自分が何もできな事を肝に銘じて、今何をすればいいのか考える、それを積み上げていきたいと思います。稽古中も大道具の準備中も情けなさいっぱいで今でも思い出すのが怖いですが、そのときの気持ちまで無駄にしないように。

稽古場日記 from 絡繰機械’s Diaries

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